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容器入り飲料水の35%、実は単なる水道水


ニュース 社会 作成日:2014年4月22日_記事番号:T00049877

容器入り飲料水の35%、実は単なる水道水

 市販のペットボトル入り飲料水は、地下水を原水とするミネラルウォーターだと思って購入する人が多い。しかし、台北市政府環境保護局(環保局)が調査したところ、調査対象34品のうち12品、実に35%が水道水だった。消費者からは「水道水だったとは初めて知った」「飲料水メーカーはもうけ過ぎ」などの声が上がっている。


医師によると、成人で1日当たり1,500~2,000ccの水分が必要だ(台北市環保局リリースより)

 台北市環保局の21日発表によると、水道水が原水だったのは▽大潤発(RTマート)FP純水▽家楽福(カルフール)超値純水──など12品。悦氏礦泉水、統一鹼性離子水など10品は地表水(河川などの水)、台塩海洋生成水など4品は海水が原水。味全天然水、水森活純浄水など8品だけが地下水を原水とする、いわゆるミネラルウォーターだった。

 水道事業者、台湾自来水によると、台湾の水道水は1,000リットル当たり平均10台湾元と世界で5番目に安い。水道水を原水とするボトルウォーター12品は600cc入りから5ガロン(約19リットル)入りまであり、その販売価格は1リットル当たり最高25元。水道水の2,500倍の高値だ。

 業界団体、包装飲用水発展協会は、容器入り飲料水は不純物や雑菌などを除去するため7~8回ろ過し、包装、販売管理、保管など設備投資が必要で、決して暴利を得ていないと説明した。RTマートやカルフールなどは、家庭で煮沸した水道水とは違い何度もろ過している上、包装、配送などコストがかかるので、実態は薄利多売だと強調した。

 林口長庚紀念医院腎臓科の顔宗海・主任医師は、栄養素やミネラル(鉱物)などの面で、容器入り飲料水と煮沸した水道水に大きな違いはないと指摘した。

 台湾では公共施設に飲料用の冷温水機が設置されていることが多く、環境保護のためにマイボトルを持ち歩く人もいれば、「家で煮沸する暇なんてない。1本10~20元なら許容範囲」と話すサラリーパーソンもいる。これからどんどん暑くなる台湾、買うか買わないか迷う前に、水分補給だけはお忘れなく。