ニュース 建設 作成日:2014年4月23日_記事番号:T00049934
張金鶚・台北市副市長は22日、「台北市の住宅価格を2年以内に3割下げる」との目標を表明した。同日、張盛和財政部長と住宅価格抑制策について意見交換し、非自己居住用住宅の税率引き上げなど5項目で合意した。内政部営建署の統計によると、台北市の住宅の年収倍率は15倍。ただ不動産業界関係者は、給与が増えなければこれが10倍に下がるだけで、住宅価格の急落は金融不安をもたらすとして張副市長の方針を批判した。23日付経済日報などが報じた。
張金鶚副市長(左)と張盛和財政部長(右)。非自己居住用住宅の税率を引き上げれば、家賃が高くなると心配する市民の声も聞かれた(22日=中央社)
前職は政治大学地政学系教授で不動産市場の専門家として知られていた張金鶚副市長と張盛和財政部長が合意した5項目は、▽自己居住用住宅の房屋税(家屋の固定資産税)の税率を1.2%に据え置く一方、非自己居住用の上限を3.6%に引き上げる▽台北市は高級住宅3,593戸の情報を中央政府に提供し、住宅と土地を合わせた実勢価格に基づいて高級住宅加価課徴房屋税(豪邸税)を課税する不動産税制改革で、台北市を最初の対象とする▽社会的弱者に貸し出した場合は課税所得から控除し、房屋税は自己居住用住宅の1.2%を適用する──など税制改正の他、住宅供給量を増やすため▽台北市政府が老朽化した住宅の都市再開発を推進して住宅の供給を拡大し、同時に低価格の公営住宅「合宜住宅」の建設の財政負担軽減を図る▽空軍総部跡(台北市仁愛路)、華光社区(台北市の中正紀念堂の東南)、台湾煙酒(TTL)の台北ビール工場(台北市八徳路)など官有地の活性化を早急に推進する──。
価格急落、経済危機の引き金に
今後のスケジュールについては意見が一致しなかった。張金鶚副市長は、政府が住宅市場の健全化を確立すれば2年で価格が3割下がると強気だが、張盛和財政部長は、住宅市場はソフトランディングでなければならないとの考えだ。
中央銀行(中銀)関係者も、台北市、新北市の住宅価格は高いが、急落すれば金融市場のダメージは強烈だと懸念を示した。
台湾大学医学院附設医院(台大医院)の医師で、今年11月の台北市長選挙に出馬意向を表明している柯文哲氏(無所属)は、台北市の住宅は所有率70%以上、空室率7%以上で、急進的な価格抑制策を行った場合、米国のサブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)問題に似た状況が起きると警告した。
経済日報は、サブプライムローン問題が世界金融危機を、日本のバブル崩壊が「失われた20年」を引き起こしており、世界に前例は多いと指摘した。
金融監督管理委員会(金管会)銀行局の邱淑貞副局長は、銀行のストレステストでは、もし経済成長率がマイナスに陥り、失業率が7%まで上昇、住宅価格が20%下がったとしても銀行システムは耐え得るが、住宅価格の30%下落は想定していないと述べた。
一方、蘋果日報の世論調査によると、「非自己居住用住宅の税率を引き上げても住宅価格は高騰し続ける」との回答が57.95%に達した。「価格下落につながる」は20.23%で、残り21.82%は「分からない、意見なし」だった。
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