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中国人自由旅行者、9割が「また台湾に来たい」


ニュース 商業・サービス 作成日:2014年4月24日_記事番号:T00049962

中国人自由旅行者、9割が「また台湾に来たい」

 台湾ニールセンは23日、中国人自由旅行者の消費動向についての初の調査結果を発表し、自由旅行経験者の9割が再度台湾を旅行したいと答えたことが明らかとなった。1年以内の訪台を計画している人も5割以上に上った。中国人自由旅行が2011年6月に解禁され間もなく3年になるが、非常な好評を得ていることが分かった。24日付工商時報などが報じた。

 中国人の訪台自由旅行は、年収50万台湾元(約170万円)以上を条件とし、訪台可能な居住地域、1日当たりの受け入れ人数の上限を設け、徐々に拡大してきた。現在は中国26都市の住民に開放され、1日当たりの受け入れ上限は4,000人だ。旅行者数は12年の延べ19万1,148人から、13年は延べ52万2,443人と2.7倍に膨れ上がっている。1日平均では524人から1,431人に増加した。今年は1~2月で既に14万8,142人、1日平均2,858人に拡大している。

 中国人自由旅行者を引き付ける理由について台湾ニールセンは、▽風習や文化▽建造物や自然景観▽台湾小吃(屋台料理)などの美食▽言葉に困らない──などを挙げた。

地方都市、高い購買力

 今回の調査では、開放されている26都市を、▽北京▽上海▽広州▽成都──の4大都市と▽天津▽南京▽青島▽蘇州──などの地方22都市の住民に分けた上での消費動向もリサーチしており、両者の違いも明らかとなった。4大都市からの旅行者は▽男性・53%、女性・47%▽平均年齢、42歳▽平均月収、9万748元(台湾元換算)──だったが、地方都市は女性が62%と男性を上回った他、平均年齢は48歳、平均月入は同9万6,657元と明らかな違いがあった。また、1人当たりの平均消費額(ホテル料金、ショッピング費用など。航空券料金除く)も、4大都市の6万5,528元に対し、地方都市は7万4,735元と14%も上回った。地方都市の旅行者は月収の77%を消費する計算になる。このうち、ショッピング費用は地方都市は3万1,732元と4大都市の2万6,073元に対し21.7%上回った。なお、人気の購入品は大都市、地方都市とも大差がなく、一番人気は名産品、記念品、工芸品で、その他食品や化粧品(顔用)などだった。

 山富国際旅行社の李嘉寅総経理は、地方都市の購買力が高いことについて、大都市の住民は出国の機会が半年に1度と多いが、地方都市は交通が不便で出国機会が少ないため、1回の旅行での消費額が多いと指摘した。また、地方都市は情に厚く、友人や隣人などへの土産の購入が多いことも理由に挙げた。

「同一視では商機失う」

 台湾ニールセンは、購買力の高い地方都市からの自由旅行者は今後増加すると予測。台湾の観光業界は、中国の旅行者を全て同じと考えていては地方都市からの自由旅行者の商機を失うと指摘した。旅行者を細かく分類し、それぞれに合った特色ある旅行を提供する必要があり、業種、県市を超えた提携を行えば訪台回数や滞在日数を増やすことにつながり、台湾での消費金額も増加するとの見方を示した。

 同調査は3月7~18日にインターネットで実施され、訪台自由旅行経験者18~59歳の1,009人から回答を得た。 

【表】