ニュース 公益 作成日:2014年4月25日_記事番号:T00049989
国民党立法院党団(議員団)は24日、江宜樺行政院長の立ち会いの下、建設続行をめぐり議論が続く台湾電力(TPC)の第4原子力発電所(新北市貢寮区)について、稼働させるか否かは完工して安全検査が終了した後、住民投票によって決めることを決議した。183項目に及ぶ安全点検は1〜2年はかかるとされるため、第4原発稼働問題は馬英九政権では凍結され、2016年に誕生する新政権下の民意に判断が委ねられることになった。25日付聯合報などが報じた。
トップ会談は全過程がテレビ中継され、互いの主張を述べ合った(25日=中央社)
第4原発をめぐっては元民進党主席の林義雄氏が22日よりハンガーストライキを行っている他、26日には反原発団体の「全国廃核行動プラットホーム」が総統府を包囲する抗議活動を予定しており、馬政権が譲歩した形だ。
一方、国民党は住民投票の条件緩和は行わない考えだ。現行の住民投票法は「全有権者の50%以上の投票」と「有効投票のうち半数以上の同意」の2点を成立要件としておりハードルが高い。野党民進党はこれに対し今週21日に、「有効投票の多数」のみを成立要件とした「第4原発住民投票特別条例草案」を立法院に提出しているが、国民党は委員会で封殺する構えだ。
民進党は、今年中に第4原発の建設中止決定を求める立場から、国民党による凍結方針を受け入れない方針だ。謝長廷元主席は、「住民投票法で成立要件の引き下げこそが重点だ。国民党はこれを避ける限り、市民の訴えに応えないに等しい」と批判した。
トップ会談、合意点なし
25日午前には、第4原発問題をめぐって、馬総統と蘇貞昌民進党主席の会談が行われた。馬政権下での与野党トップ会談は初めてとなった。
蘇主席は第4原発建設の即時停止を求めたが、馬総統は民進党政権が2000年に建設中止を宣言したものの、後に撤回に追い込まれた例を挙げて拒否。原発のエネルギー政策の中での位置付けや、電力不足に陥る懸念などを含めて熟慮が必要で、単に廃止を訴えれば済む問題ではないと蘇主席を批判した。
会談は85分間に及んだものの、原発の存廃、住民投票の成立要件引き下げなど、あらゆる点で意見の一致を見ずに終わった。
「死刑判決に近い」=TPC
江行政院長は24日、住民投票で民意を問うまでは第4原発で燃料棒の装塡(そうてん)を行わないことも明言した。住民投票を経て稼働が決まった場合でも、燃料棒の装塡と試運転に1年の時間が必要だ。
第4原発が完工後も長期間凍結状態に置かれる可能性が生じたことについてTPC幹部は、「かなりの経費が発生する。第4原発に対する死刑判決に近い」と語った。同社では過去に原発を凍結状態に置いた米国やカナダの例を参考に、第4原発に見合った凍結手段を検討する方針だ。TPCによると、現状では第1原発(新北市石門区)1号機が稼働年限を迎える18年に電力不足が発生し、第2原発(新北市万里区)1号機が稼働年限となる21年より電力の供給制限を実施する恐れがある。
中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の蔡練生秘書長は、国民党による当面の第4原発凍結方針について「われわれにとっては現状維持に等しい」と述べつつ、「電力供給の安定確保のため、与野党は共に第1〜第3原発の稼働延長を約束する必要がある。そうしてこそ第4原発凍結を受け入れられる」と話した。
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