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夏季室温26度の対象拡大へ、第4原発凍結で節電


ニュース その他分野 作成日:2014年5月12日_記事番号:T00050269

夏季室温26度の対象拡大へ、第4原発凍結で節電

 経済部能源局(エネルギー局)は8月下旬の全国エネルギー会議で、来年にも夏季の室温設定26度以上を求める対象に映画館、ファストフード店など6種を追加することを提案する計画だ。昨年から百貨店、量販店などサービス業11種に義務付けているが、2018年の28度以上への引き上げも検討する。政府の台湾電力(TPC)第4原子力発電所(新北市貢寮区)建設凍結宣言から18年に電力不足が懸念され、節電対策が急務となっているためだ。日本では28度が広まりつつあるが、台湾はさらに高温多湿で、対象施設や市民から反発の声も聞かれる。12日付中国時報などが報じた。

 経済部関係者によると、全国エネルギー会議は、需要面では節電対策、供給面では原発の代替エネルギー、既存原発の稼働延長が焦点とみられている。会議の開催までに幅広く意見を募り、意見交換、討論の場としてインターネット上にプラットホームを設置する。

28度以上も検討

 公共の場の夏季の室温設定の見直しは、この節電対策の一環として浮上している。経済部関係者は、1年以内に夏季の室温26度以上の設定対象に▽映画館▽ファストフード店▽カラオケ店(KTV)▽美容院▽衣料品販売店▽書店──の6種を加えると話した。

 現行では▽観光ホテル▽百貨店▽量販店▽スーパーマーケット▽コンビニエンスストア▽ドラッグストア▽家電量販店▽銀行▽証券会社▽郵便局▽公共交通機関の駅やターミナル──の11種、約2万2,300カ所が対象で、違反した場合の罰金は2万~10万台湾元(約6万8,000~34万円)だ。能源局によると、消費電力が年間2,158万キロワット時(kWh)減少し、二酸化炭素(CO2)排出量の1万3,000トン減少に相当、電力料金が6,000万元節約できる計算だ。

 日本でも電力不足や地球温暖化を受け冷房の設定28度を推奨しているが、台湾は高温多湿なため、もし28度まで引き上げられれば、労働者や消費者が受け入れられるかが問題だ。能源局関係者は、人体にとって快適な温度を考慮して決定すると話した。

 医療関係者は、一般的に室内の温度は24~28度が適切で、オフィス内で事務処理などを行う場合は設定温度が28度になっても問題がないが、室内にいる人数が多い場合や運動などを行う場合は26度が望ましいとの見方を示した。

高鉄・MRTの減便も視野

 能源局は8月の全国エネルギー会議で、電力需要のピーク時に台湾高速鉄路(高鉄)や都市交通システム(MRT)に対して減便を求める案を提出することを検討している。高鉄の広報担当は、あくまで利用者の需要を再優先に検討すると強調した。高鉄は開通以来、利用者数、便数ともに安定した成長を遂げ、これまでの減便は世界金融危機で利用者数が減少した際だけだと述べた。

 この他、現在台北市のみに設けている屋外広告やネオンに対する規制を台湾全土に拡大することも検討する。電力不足時に日中や午前0~4時など使用制限の時間帯を設けるもようだ。 

【表】