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フクロウが毎日出勤するお寺、読経や爆竹にも動じず


ニュース 社会 作成日:2014年5月15日_記事番号:T00050331

フクロウが毎日出勤するお寺、読経や爆竹にも動じず

 南投県のあるお寺では、毎日やって来て1日中じっと寺の中で過ごす一風変わった参拝客がいるという。この参拝客とは2羽のフクロウで、人間たちの読経の声や爆竹の音におびえることなく寺の天井近くで過ごし、夕方になって読経が止むや帰っていくそうで、こんな生活をかれこれ8年間続けている。

 フクロウが毎日参拝するのは南投県竹山鎮にある道教の廟「克明宮」。150年の歴史を持つ由緒正しい廟だが、1999年の台湾中部大地震により全壊し、その後8年をかけて再建を進めた。

 そして8年前、新たに建てられた廟が完成した際、天井を彫刻で飾ろうということになったが、どんなものを彫ればよいか分からなかったので、タンキー(霊媒師)を呼んで廟の主神、関聖帝君(三国志の関羽が神格化されたもの、関帝)にお伺いを立てた。その結果、関帝はタンキーを通じ、天井の板にはクジャクとフクロウを飾るよう指示したそうだ。

 これを受けて廟の左の天井には1対のフクロウが彫られたが、いざ新廟の落成式典を開こうとしていたある日、関係者の1人が天井を見上げるとそこに本物のフクロウ2羽が止まっていた。

 その後、フクロウの数は最大5羽まで増えたが、そのうちの2羽だけは台風の日も含め、現在まで1日も欠かさずに「出勤」しているという。フクロウ2羽は1日に3度行われる読経の声や、記念日に鳴らされる爆竹の音にも逃げ出したりすることなく、午後9時にその日最後の読経が終わると、「ククッ」と一声鳴いて飛び去っていくそうだ。

 動植物の生息数などを研究する行政院農業委員会(農委会)特有生物研究保育センターの獣医によると、フクロウは夜行性で、一般的に昼間は木の上や木の穴に身を隠してじっとしていることが多いという。しかし、近年では自然林が減少していることから都市部の公園などでも目撃されるようになっており、克明宮のフクロウも長く「出勤」するうちに人の声や爆竹に慣れ、「廟の中は安全」と認識するようになったと考えられるそうだ。