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ベトナム暴動で「台湾人」張り紙、「逆効果」と批判浴びる


ニュース 社会 作成日:2014年5月16日_記事番号:T00050360

ベトナム暴動で「台湾人」張り紙、「逆効果」と批判浴びる

 南シナ海の領有権をめぐり中国との緊張が続くベトナムで、暴徒化した反中デモ隊の一部が漢字の看板を掲げる台湾企業を中国企業と勘違いして襲撃する事態が生じる中、外交部は15日、対策としてベトナム語と英語で「私は台湾人」と書かれた張り紙を現地企業に配布した。しかし、これに対し企業側からは「これでは襲ってくれと言っているようなもの」と批判が噴出している。


外交部は既に現地企業に2万枚配布している(15日=中央社)

 外交部が配布した張り紙に対し、現地の台湾人によると「ベトナムの学校では台湾は中国の1省と教えており、ここで台湾人を名乗ることは中国人と認めることに等しい」と指摘。張り紙を作るなら「中国と台湾は同じではない」と強調したもの、または「私は中国人ではない」と書かれたものを用意すべきだと提言した。

 このほか民進党の立法委員も、襲撃防止に効果を持たせるため、「台湾は中国の一部ではない」「台湾は独立国家」といった文句に変更するよう外交部に要求している。

 しかし、林永楽外交部長は「台湾とベトナムは20年以上の関係があり、台湾と中国が互いに隷属しないことは多くのベトナム政府関係者や市民が承知している」と反論。「今回の張り紙は台湾企業に害をなすものではない」との認識を示した。

 また張り紙の内容変更について外交部アジア・太平洋司の何登煌司長は「適当ではない」と回答した。ただ、その具体的理由については説明しなかった。

 なお外交部からの効果的な支援が期待できない中、現地企業は中国語の看板を取り外したり、現地警察に「寄付金」を払って保護を求めるなど被害防止のための自助努力を始めている。

 このほか親越企業であることを示すため、ベトナムの革命家で国民的な英雄、ホー・チ・ミン氏の銅像を工場の入口に設置する企業もあり、「外交部の張り紙よりずっと効果がある」などの声が上がっている。