ニュース その他分野 作成日:2014年5月21日_記事番号:T00050466
スイスのIMD(国際経営開発研究所)が発表した今年の世界競争力年鑑で、台湾の国際競争力が3年連続で後退したと評価された。総合順位は13位で、昨年の11位から2ランク下がった。不安定な政治と一貫性のない政策が競争力の後退要因とIMDは指摘したが、国家発展委員会(国発会)は、台湾の経済自由化に対する本気度がヒマワリ学生運動によって疑われたと釈明。政策の失敗の責任を転嫁したと批判されている。21日付経済日報などが報じた。
馬総統は、IDMが台湾の競争力後退の原因の一つと指摘した政治の不安定は、民進党が立法院で何度も議事妨害したせいだと述べ、野党に矛先を向けることも忘れなかった(20日=中央社)
IMDの同調査は世界60カ国・地域の国際競争力を経済・政治環境などに関連する4大分類・5小分類の計20項目でランク付ける。台湾の総合順位は2011年に過去最高の6位まで上昇したが、その後は7位(12年)、11位(13年)とランクを下げ続けている。
台湾は今年、初めてマレーシアに抜かれ、アジア域内での順位も昨年の3位から4位に落ちた。アジア国家・地域の上位の順位は、▽シンガポール、3位(前年5位)▽香港、4位(同3位)▽マレーシア、12位(同15位)──。
国発会は20日発表した声明で、台湾の国際競争力が今年も後退したのは、大分類の「ビジネスの効率性」が17位、「政府の効率性」が12位へと、それぞれ前年から7ランク、4ランク下落したことが主因と指摘した。
「ビジネスの効率性」の後退について国発会は、人材の海外流出や高度人材の確保困難など、人材問題の深刻化で小分類の「労働市場」が7ランク下がった影響が大きいと説明。「政府の効率性」の後退については、政府の債務状況に大きな改善が見られず、特に年金財源の確保が懸念され、小分類の「財政状況」が4ランク下落したことが響いたと指摘した。
「大きな警戒信号」
ただ国発会は「ビジネスの効率性」と「政府の効率性」は約6割がアンケート調査に基づいており、一部で調査期間が3〜4月のヒマワリ学生運動と重なったため、回答者の評価に大きく影響し、グローバル化が進む世界における台湾の姿勢、経済の機動力、社会の結束力などに疑いが持たれたと指摘した。
しかし台湾大学経済系の林向愷教授は、「馬英九政権の施政に方向性がなく、実行力にも欠けるためだ」と批判。馬総統就任以来の6年間、各国・地域は競争力を強化してきたが、台湾は足踏み状態で相対的に競争力を失っていると説明し、3年連続の順位後退は大きな警戒信号であり、政府は危機感を抱くべきと指摘した。
IMDも台湾の課題として、▽社会の団結・融和促進▽経済自由度を世界標準まで向上させること▽工業構造の再編・転換加速とサービス業の発展▽雇用機会と賃金の平等化による経済成長促進▽グリーン経済の競争力向上──を挙げている。政府は自由経済モデル区の整備を進めるなど、今後ビジネス・投資環境の改善を急ぐ方針だ。
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