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小米効果、ウィンテック今年黒字化も


ニュース 電子 作成日:2014年5月26日_記事番号:T00050552

小米効果、ウィンテック今年黒字化も

 タッチパネル大手、勝華科技(ウィンテック)の黄顕雄・董事長兼総経理は23日、中国の新興スマートフォンブランド、小米科技(小米、シャオミ)からの受注増によって、今年必ず黒字化を達成できると発言した。ウィンテックはアップルからの受注が大幅に減少し、3年連続で赤字となっていたが、小米の急成長を受けて、アップル依存からの脱却に成功し、成長軌道を取り戻す見通しだ。26日付自由時報などが報じた。


同社はサムスン電子のタブレットPC向けの受注も狙っており、黄董事長は23日の株主総会終了後すぐに韓国に向かった(23日=中央社)

 ウィンテックは、小米のスマホ「小米2S」、「小米3」に対しOGS(カバーガラス一体型)タッチパネルのほとんどを供給している。また、低価格機種の「紅米」については、昨年は主に中国のタッチパネル最大手、深圳欧菲光科技(深圳Oフィルムテック)が供給していたが、今年はウィンテックも洋華光電(ヤング・ファスト・オプトエレクトロニクス)と提携し、5割の受注獲得に成功している。洋華光電が薄膜タッチパネルを供給し、ウィンテックは貼り合わせを担っている。

アップル受注、76%減

 ウィンテックは最大顧客だったアップルがタッチパネル調達をグラスオングラス(GG)方式からインセル型に切り替えたことで受注を失い、アップルからの昨年受注額は161億台湾元(約540億円)と前年の650億元から76%の大幅減となった。これを受け、2013年通年の連結売上高は764億元と前年比25.1%減、純損失は102億元に上った。しかし黄董事長は、今年は小米からの受注額が400億元以上と、昨年の156億元から急伸することに加え、小米製品の利益はアップル製品の1.5倍のため増益が期待できると語った。さらに、小米製品向け生産ラインは来年まで埋まっており、来年は小米からの受注額は月100億元も狙えるとの予測を示した。

 小米は高スペックながら低価格を実現し、中国で絶大な人気を誇っている他、昨年4月には「小米2S」で台湾進出を果たし、12月には低価格機種「紅米」が10分足らずで1万台が売れ話題を集めた。昨年の世界出荷台数は1,850万台。今年は▽マレーシア▽フィリピン▽インド▽インドネシア▽タイ▽ベトナム▽ロシア▽トルコ▽ブラジル▽メキシコ──の10カ国への販売拡大を計画しており、4,000万台を目標としている。ただ、既に第1四半期だけで1,000万台を出荷しており、6,000万台に上方修正したもようだ。来年はさらに1億6,000万台を狙うとみられている。

AUO、生産ラインフル稼働

 サプライチェーンによると、小米の急成長に伴いウィンテックだけでなく、液晶パネル大手の友達光電(AUO)も、小米の追加受注を獲得し、中部科学工業園区(中科)の第5世代生産ラインがフル稼働だという。AUOは同工場で先週発表した小米初となるタブレットパソコン「MiPad」用の7.9インチ液晶パネルや、「紅米」の4.7インチパネル、「紅米ノート」の5.5インチパネルの一部を生産している。AUOはこれら機種の主要サプライヤーでシャープと受注を分け合っている。 

【図】