ニュース 電子 作成日:2014年6月5日_記事番号:T00050753
IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)とパソコンブランド大手、宏碁(エイサー)は4日、モノのインターネット(IoT)分野での提携を発表した。IoT市場は2020年までに1兆9,000億米ドル規模に拡大すると予想されており、台湾メーカーがタッグを組むことでサプライヤー構築を促し、台湾業界全体が新たな大型商機をつかむことを見込む。5日付工商時報などが報じた。
蔡董事長(左)は、今後IoTと接続する「スーパーミドルエンド」も市場が大幅に拡大するとの見方を示した(4日=中央社)
IoTは、従来インターネットに接続されていたPCやサーバーなどのIT機器だけでなく、あらゆるモノがインターネットに接続されることを指す。現在、自動車や医療設備などに範囲が拡大し急速に発展している成長分野だ。20年までに製造、医療分野がそれぞれ15%のシェアを占めると市場調査会社、ガートナーは予測している。
目指せ「Wintel」
メディアテックとエイサーの提携は、エイサーの「エイサー・オープン・プラットフォーム(AOP)」にメディアテックのチップを採用した顧客を取り込み、クラウドコンピューティングの個人利用(ビルド・ユア・オウン・クラウド=BYOC)サービスのエコシステム構築を目指し、新技術の開発や応用を視野に入れる。エイサーの施振栄(スタン・シー)董事長は、マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)ウィンドウズとインテルのCPUを組み合わせた、かつての「Wintel」体制のような成功を収めたいと語った。
メディアテックは先日、IoT向けの開発プラットフォーム「LinkIt」を発表。現在世界最小のウエアラブル・システム・オン・チップ(SoC)「Aster」が組み込まれており、LinkItでデバイスメーカーやアプリケーション開発メーカー、サービスプロバイダーとのエコシステム構築を目指すと説明していた。また、同社の蔡明介(ミンカイ・ツァイ)董事長は4日、クラウドコンピューティングが20年には新時代の「2.0時代」に突入し、世界で200億~500億台のハード装置がクラウドに接続されるようになると予測を示した。
「団結が不可欠」=エイサー董事長
施エイサー董事長はIoTの発展見通しについて、台湾には▽台湾積体電路製造(TSMC)を筆頭とする半導体生産企業▽メディアテックなど多様なIC設計企業▽最終製品の研究開発(R&D)・製造企業──の3大メリットを持つ優位性があると指摘した。その上で、IoTで台湾メーカーが発展を遂げるには、各分野の企業が団結して、リソース統合や世界に通用するオープンクラウドプラットフォームの設立が必要との見方を示した。また、そのために技術や知的財産、経験を積み上げる他、IoTがもたらす新生活を台湾住民が分かち合い、台湾をモデルケースにしていく必要があるとの見解を示した。
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