ニュース 社会 作成日:2014年6月9日_記事番号:T00050783
端午節(旧暦5月5日、今年は6月2日)前後、台湾では世界で広く愛飲される烏龍茶の一種「東方美人」の茶葉収穫シーズンを迎える。しかし近年、この人気茶葉を収穫する「茶摘み娘」が高齢化し、産業衰退の危機に直面している。
桃園、新竹、苗栗一帯に広がる東方美人の茶畑を訪れると、頭に笠をかぶり、手には腕まである手袋を着用して万全の日焼け対策を施した茶摘み娘たちが働く姿を目にすることができる。
しかし、よく見てみるとこの「娘」たちは、娘と呼ぶには少々年を取り過ぎているように見える。平均年齢は70歳を超え、80歳以上の現役も珍しくないそうで、「70歳以下なら若者だよ」と話す。
茶摘み娘たちは10代のころに仕事を始め、毎年5〜6月になると朝4〜5時に家を出て、夕方4〜5時まで茶葉を摘む生活を続けてきたそうだ。気温35度を超える炎天下での茶摘みは完全防備とスピードを伴う熟練の技術が必要で、若者が急に始めても半日で音を上げてしまうのだという。
東方美人は新芽だけを使用するため、茶葉の収穫を機械化することはできず、高齢化が進み茶摘み娘が一人また一人と引退する現状の下、事業規模の縮小を余儀なくされている。
こうした中、茶農家は毎年、収穫量を保つため、茶摘み娘本人に加え、その家族にも「今年も仕事を続けてほしい」と説得に回っている他、報酬の引き上げや茶畑への送迎、シーズン終了後の慰安旅行など手厚い福利厚生も用意。さらに翌年に備えて「予約金」の支給も行っているそうだ。
当然、現役茶摘み娘の子どもや孫を主なターゲットとして積極的に後継者の獲得を図っているが、思うような成果を挙げられていないようで、ある農家は「どうしようもない。あと5年も立てば事業をやめることになる」と話している。
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