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記事番号:T00050806
2014年6月9日15:38

 交通部民用航空局がこのほど発表した統計で、台湾の航空機の2004〜13年の過去10年の全損事故率が100万飛行時間当たり0.17回となり、世界平均の0.3回を下回ったことが分かった。10年平均の事故件数が世界平均を下回ったのは過去20年で初めて。1990年代前半より大型死亡事故を頻発させた中華航空(チャイナエアライン)の事故件数減少が、全体数値の大幅改善に貢献したとみられる。9日付蘋果日報などが報じた。


中華航空とは対照的に、長栄航空(エバー航空)は91年の初就航以来、1件の死亡事故も全損事故も起こしておらず信頼性は高い(YSN)

 台湾の1993〜02年の全損事故率は1.9回と現在の10倍以上高く、当時の世界平均0.61回を3倍以上上回っていた。台湾が世界平均に悪影響を与えていたことがうかがえる。ただ、04年から13年までの10年間、台湾の航空機の全損事故は07年8月に那覇空港で起きた中華航空737-800型機の爆発炎上事故の1件のみだ。今後も無事故が続けば、10年平均値はさらなる低下が見込まれる。なお、全損事故統計は西側の国が製造した従量15トン以上のジェットタービンエンジン搭載の航空機が対象で、台湾のあらゆる航空会社の旅客機が含まれる。

「空飛ぶ棺桶」、悲惨な歴史

 台湾の航空会社はかつて頻繁に死亡事故を起こしていた。日本人に衝撃を与えたのは1981年8月、台北松山発高雄行きの遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)ボーイング737型機が苗栗県上空で空中分解した事故で、作家の向田邦子ら日本人18人を含め乗客乗員全110人が犠牲になった。

 「空飛ぶ棺桶」の異名を取ったのが中華航空だ。同社は94年4月、エアバスA300-600R型機が名古屋空港で着陸に失敗、乗客乗員271人中264人が死亡した。

 98年2月中華航空のデンパサール発エアバスA300-600R型機が中正国際空港(現桃園国際空港)への着陸中に失速して付近に墜落、乗客乗員196人全員と墜落現場にいた6人が死亡した。

 中華航空は翌99年8月、バンコク発のMD-11型機が悪天候の香港国際空港で着陸に失敗、乗客3人が死亡、50人が重傷を負った。

 さらに2002年5月には、桃園発香港行きのボーイング747-200型機が澎湖島上空の台湾海峡で空中分解し、乗客乗員全225人が犠牲になった。中華航空は名古屋、澎湖、桃園の事故がいずれも世界の歴代航空事故のワースト30入りし、3件の事故での死者は700人に迫る。

IATAより安全認証

 しかし、澎湖を最後に死亡事故を起こしておらず、同社によると最近国際航空運送協会(IATA)の運航安全監査プログラムの認証を受けたほか、オーストラリアの航空会社評価サービス、Airline Ratingsで安全性が最高の7つ星評価を受けたという。起きてはならない事故が続出した反省からか、同社の安全性には一定の進歩が見られるようだ。

 一方、利用者からは、台湾の航空会社はサービスの質も改善してほしいという声が聞かれる。ある男性は、澎湖など離島観光のハイシーズンに当たる度に台湾域内線に遅れが出ており、不便さを感じていると訴えた。 

【図】

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