ニュース 社会 作成日:2014年6月11日_記事番号:T00050842
台東市にある原住民、アミ族の集落では毎年、米の収穫シーズンになると米を採った後に残るわらをゴミとして燃やしており、その煙が大気汚染を引き起こすとして問題となっていた。しかし、昨年からこのわらを使った縄を販売する事業を立ち上げたところ、煙害が解決できたばかりか、今年は日本への輸出も実現。ゴミを黄金へ変えることに成功したと評判を呼んでいる。
「米を売るより稼げる」と作業にも力が入る(中央社)
人気旅行先の日本を訪れる台湾人は、お土産として神社仏閣や工芸品店でわらで編んだ記念品を購入することも多い。しかし、その材料となるわら縄の多くが台湾から輸入されていることはあまり知られていない。
日本は気候条件から年に1度しか米が収穫できない反面、わら縄の需要は多く、国内からの調達では間に合わないため、東南アジアや台湾から相当な量を輸入している。特に台湾製のわら縄は防疫の観点から人気が高く、年間輸入量は平均約650トンにも上る。ただ、これまでは台湾西部からの輸入が大半を占めていた。
こうした中、台湾東部に位置し、多くのアミ族が農業に従事する台東市富豊集落では、廃棄されるわらを燃やすことで生じる大気汚染に悩まされていた。このアミ族にはわらを編んで縄を作る習慣があるものの、使用量は少なく、大半を廃棄していたからだ。
しかし昨年、ある農家がわらを整えて縄になう機械の存在を知り、組合を結成してこれを導入し、わら縄を重要産業として育成しようと思い付いた。
さっそく計画を実行に移したところ、わら縄の用途は農業だけでなく、水産業、園芸業、工業と幅広いことからあっというまに台湾内に販売ルートを確保。集落の高齢者が組合で仕事を得られるようになったたほか、何より住民たちを喜ばせたのは、若者が村に戻ってきたことだった。
そして今年3月、顧客を通じて日本からの受注に成功。既に13トンのわら縄を日本へ向けて出荷している。さらに最近では、わら縄だけでなく、神社用のしめ飾りなどの「完成品」も手掛けようと日本の神社文化の研究にいそしんでいるそうだ。
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