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「シャープにだまされた」=郭台銘・鴻海董事長


ニュース 電子 作成日:2014年6月18日_記事番号:T00051002

「シャープにだまされた」=郭台銘・鴻海董事長

 EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手、鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長はこのほど日本の経済誌「東洋経済」とのインタビューで、2012年3月に発表し、翌年3月に事実上白紙に戻ったシャープとの資本提携について「私はシャープにだまされた」と語った。しかし郭董事長は依然、シャープとの提携に意欲を見せており、シャープの液晶パネル技術を非常に重視していることがうかがえる。18日付聯合報などが報じた。


郭董事長は恨み節だけでなく、「シャープが同意さえすれば明日にでも時価発行増資に応じる」と提携の可能性に依然期待をにじませた(中央社)

 郭董事長によると、両社の提携が持ち上がったのは、11年6月に香港でシャープの町田勝彦会長(当時)と面会した際で、その際、町田会長は、協力してサムスン電子に対抗したいと持ち掛け、これに賛同して郭董事長は出資を決めたという。

 その後、町田会長や片山幹雄社長(当時)と提携交渉を詰めたものの、巨額の赤字が明らかとなったシャープの経営権は12年4月に奧田隆司新社長へと移り、鴻海との約束がほごにされたばかりか、シャープは13年3月、サムスンとの資本提携を発表するに至り、郭董事長は「彼らはわたしを捨ててサムスンを選んだ」と語った。

 郭董事長がシャープとの提携に強いこだわりを見せる理由について、市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益・大中華区副総裁は、「高解像度液晶パネル技術を手に入れるため」と指摘した。

 鴻海は現在、中国・四川省成都市で低温ポリシリコン(LTPS)液晶パネルに投資を行っているが、生産が順調に進んでいるとは言い難く、シャープの技術が導入できれば問題を大きく改善できるという。

 LTPS技術はiPhone、iPad、MacBookといったアップルの人気製品が搭載する高解像度Retina(レティナ)ディスプレイの生産に利用されているため、「鴻海にとってシャープとの提携の重要性は言うまでもない」と謝副総裁は述べた。