ニュース 社会 作成日:2014年6月24日_記事番号:T00051092
台湾随一の大都会、台北市に「離島」が存在することをご存じだろうか。そこは基隆河と淡水河が合流する場所に存在する中州で、「社子島(しゃしとう)」と呼ばれる。大都会の一部でありながら、ほとんど見捨てられた存在となっているこの島を題材にした、ドキュメンタリー作品『看不見的島(見えない島)』が、公共電視(公視、PTS)できょう(24日)午後10時から放映される。
『看不見的島』は公視とNHKの共同制作で、ドキュメンタリー作品を手掛ける楊力州監督が撮影を指揮した。日本では既に今年3月、BS1で『アジア三都物語』シリーズの第1回目として『台北~時が止まった街角で~』のタイトルで放映された。
1963年に台湾を襲った台風14号(グロリア)の影響で社子島は甚大な洪水に見舞われた。その後、政府は水害の再発を防ぐため島の周囲に堤防を築いたため、島と市街地との間が隔絶されることとなった。また治水政策上、島には建築制限が敷かれたため、高層ビルなどは存在しない。
3年前、別の作品の撮影のために社子島を訪れた時の印象を楊監督は「50年前から時間が止まっているようで、ビルもコンビニもなく、ただ無数の印刷工場と資源リサイクル場、それと中学校が一つあるだけだった」と語る。
『看不見的島』の中では、中学を卒業したばかりで島を離れ、市街地の高校や職業学校に通う島の子どもたちが主役となる。しかし、夢と希望にあふれた一般の生徒とは異なり、環境の変化にとまどう島の子どもたちは、休学やクラスで孤立するなど挫折に直面することになる。
「島の子どもたちとの触れ合いを通じ、彼らが極度に自信がなく、将来に対し希望を持っていないと感じた」という楊監督は、「長きにわたり政府によって軽視され、自分が住む街の発展を自分の手で決められないという環境が、彼らの頭を押さえつけてきたためだ」と指摘する。
そして楊監督は「作品を通じて政府や多くの人が見落としてきた地域に目を向けさせることが『看不見的島』を撮った最大の理由だ」と語った。
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