ニュース 社会 作成日:2014年6月25日_記事番号:T00051122
 彰化県に住む75歳の男性は約60年前に小学校を卒業した際、貧しかったばかりに卒業証書の発行を拒否された。男性はこのことをずっと心の中のしこりとして抱え続けていたが、今年の誕生日、男性の娘や学校関係者の働き掛けによって半世紀以上遅れて卒業証書を手にすることができた。
この男性、廖文源さんは彰化県渓州郷の貧しい農家に8人兄弟の1人として生まれ、日本統治時代の「国民学校」、戦後に改称された「三條国民小学校」に働きながら通い、1951年に卒業した。
しかし当時、家の家計が非常に苦しいことを分かっていた廖さんは、父親に卒業紀念冊子の購入費、10台湾元が欲しいと言い出せず、この代金を払わなかったことで教師から卒業証書の発行を拒否されたという。
この非情な仕打ちに廖さんは子供ながらに「将来金を稼いで貧しい人を助けよう」と誓ったそうだ。そしてその後、努力を重ね30歳でガスボンベを取り扱う自分の店を開いてからは、無料でガスを送るなど貧しい家庭を助けたという。
ただ小学校の時に受けた仕打ちは心の傷となって残っていたとみられ、当時の憤りを自分の子供たちに話して聞かせていたようだ。それを知っていた廖さんの娘で高校教師となった婉伶さんはこのほど、フェイスブックで知り合った三條国小の同窓会長を通じて同校の校長に連絡を取り、事情を話して父親に卒業証書を発行してほしいと依頼した。
同窓会名簿で廖さんの名前を確認した校長はこれを快諾。今月23日の廖さんの誕生日にサプライズプレゼントとして手渡されることになった。
「父親が証書を破り捨てるんじゃないか」と心配した婉伶さんだったが、60年以上遅れて卒業証書を手にした廖さんは落ち着いた様子だったという。しかし実は気持ちを押し殺していたようで、娘は父親が何度も証書に目をやり、陰でこっそりと涙を拭う姿を見逃さなかった。
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