ニュース 電子 作成日:2014年6月27日_記事番号:T00051210
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)の呉田玉営運長は26日、受注見通しが3カ月立っており、今年の設備投資を上方修正する可能性があると述べた。業界では過去最高の10億米ドル以上に引き上げるとみられている。さらに昨年12月に違法排水で操業停止処分を受けた高雄K7工場が7~8月にも稼働を再開できる見通しだ。同社は、下半期は矽品精密工業(SPIL)を上回る成長を果たすと意気込む。27日付工商時報などが報じた。
呉営運長は台湾での工場拡大に向け今年8,000人を募集する他、3~5%賃上げすると述べた(26日=中央社)
呉営運長は、下半期の成長のけん引役は顧客の新製品発売で、システム・イン・パッケージ(SiP)の出荷増は指紋認証機能やウエアラブルデバイス(装着型端末)向けと説明。今後3~5年はSiPが最も伸びると予測した。
報道によると、同社はアップルのWi-FiモジュールなどSiPの大口受注を獲得。下半期は次世代スマートフォン「iPhone6」受注の他、腕時計型ウエアラブルデバイス「iWatch」が貢献し、SiPが第4四半期売上高の2割以上を占める見通しだ。
同社は前回の業績説明会で、今年の設備投資計画を7億米ドルから9億5,000万米ドルに引き上げている。設備投資の上方修正となれば、SiPをはじめ▽フリップチップ・チップスケールパッケージ(FCCSP)▽ウエハーバンピング▽ハイエンドのロジックやミックスド・シグナル(デジタル・アナログ混在信号)試験──などの投資拡大になりそうだ。
重複受注の観測否定
ファウンドリーや封止・検査の第2四半期の業績好調に対しては顧客からの重複発注の可能性が指摘されていたが、呉営運長は「杞憂(きゆう)だ」と否定。第3四半期に冷え込む兆しはなく、第4四半期はさらに良くなると述べた。最終製品が実際に販売されるのは第4四半期から来年第1四半期のため、販売動向や在庫調整について語るのは時期尚早と説明した。
「顧客流出はない」
同社の封止・検査事業の5月連結売上高は前月比5.7%増、前年同月比8.2%増の134億3,500万台湾元(約460億円)で過去最高を更新し、グループ全体の連結売上高は前年同月比15.3%増の201億1,100万元で過去5番目に高かった。1~5月の連結売上高は前年同月比13.9%増の938億2,700万元。高雄K7工場の一部工程の操業停止が続く中、SPILが27%増の323億元と追い上げている。
呉営運長は、高雄K7工場の違法排水発覚による顧客の流出は全くなく、従業員も減っていないと強調した。これまでにタイムリーな測定システムを導入し、意思疎通や管理体制を強化しており、今後は汚染水を一滴たりとも垂れ流すことはないと表明した。
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