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絶滅危機のナポレオンフィッシュ、捕獲禁止前日に釣り上げ批判


ニュース 社会 作成日:2014年7月2日_記事番号:T00051272

絶滅危機のナポレオンフィッシュ、捕獲禁止前日に釣り上げ批判

 台湾では「蘇眉魚」や「龍王鯛」といった名称で呼ばれ、古くから食用にされてきた「メガネモチノウオ(別名:ナポレオンフィッシュ)」は、乱獲が原因で生息数が激減しており、台湾領海には現在30匹しか残っていないとされている。こうした中、行政院農業委員会(農委会)は1日、メガネモチノウオの捕獲禁止令を公布したが、その前日に屏東県の漁師がこの魚を釣り上げていたことが明らかとなり、大きな批判を呼んでいる。


主の釈明後もネット上では「この店には行かない」などと抗議のコメントが続いた(1日=中央社)

 メガネモチノウオは熱帯・亜熱帯域に広く分布するベラ科の大型海水魚で、大きい物は2メートル以上、重さ200キログラム以上にまで成長する。しかし、この魚は台湾だけでなく世界で生息数を減らしており、「絶滅危機」にある種として国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに2004年からリストアップされている他、ワシントン条約(CITES)によって国際取引が制限されている。

 中華圏においてメガネモチノウオは、その肉質の良さから食用高級魚として取引されてきたため、乱獲が進み、台湾でもほとんど目にすることができない状態となった。これを受けて農委会は同魚の保護に向け、1日に捕獲禁止を公布した。

 しかし「禁止令」が発効する前日の夜、屏東県恒春鎮にある海産物レストランの店主が「捕れたて。他の魚には代え難い」というコメントを添えてメガネモチノウオの写真をインターネット掲示板にアップロードした。

 これを見たネットユーザーから「この魚は1日から捕獲が禁止される」と指摘されると、この店主は「保護されることは知っている」と回答した。絶滅の恐れがあると知っていながら、これを意に介さない態度に掲示板は炎上。店主は慌てて投稿を削除し、「写真の魚は友人の漁師が釣って売りに来たもので、記念に写真を撮っただけ。購入せず、友人にはもう捕らないよう助言した」と釈明し、誤解を呼んだとして謝罪した。

 なお「野生動物保育法」の規定によると、保護対象となっている野生動物を捕獲した場合、6月以上5年以下の懲役刑が科せられる。