ニュース 社会 作成日:2014年7月11日_記事番号:T00051472
台湾の都市部では人口密度が高く、住宅が密集していることから、住宅の上部に違法と知りながらプレハブの部屋などを増築する行為が横行している。こうした中、高雄市で20年以上にわたって、もともと3階建てだった住宅を8階に建て増した「スーパー違法建築物」が放置されていることがメディアによって取り上げられ、市が10日より違法部分の強制撤去に着手した。
撤去直前のハト小屋。大都市の屋上は違法建築だらけだが、これほどひどいケースは珍しい(10日=中央社)
今回問題となった違法建築物は、高雄市の中心部を走る建工路に面した「透天厝」と呼ばれるタイプの住宅で、22年前に現在の持ち主が購入。その後建築許可を受けることなく6階に「倍増」させたばかりか、その上に2階分の「ハト小屋」を増設していた。
そのハト小屋はわずか6本の鉄筋と歩道にせり出した貨物用エレベーターの柱によって支えられているのみで、近隣住民からは「台風や地震が発生すれば小屋やエレベーターが落ちてくる可能性がある」と懸念されていた。
さらにハト小屋はハトの羽やフン、鉄筋から浮いたさびの塊が飛び散り、周囲の環境を悪化させていたため、2011年9月に家主に違法部分の撤去を命じた。
しかしその後も家主は、「仕事で忙しい」という理由で一向に撤去を行わなかったため、見かねた住民が蘋果日報に投書し、7日の紙面で報じられることとなった。
そして、報道をきっかけに市がようやく重い腰を上げ、10日に「期限内に改善が見られなかった」として違法部分の強制撤去にとりかかった。完全撤去には大型クレーンで4日間かかる予定で、重機の賃貸料など約20万台湾元の費用は税金から捻出されることになるという。
なお内政部営建署の統計によると、同様の違法建築は台湾全土に59万1,975件存在している。しかし関係者によると、予算や人出の不足から強制撤去が進んでおらず、当面の危険性がなければ監督機関は家主に近隣と良好な関係を築くよう勧め、苦情がなければ放置しているケースが多いという。
ただ今回のようにメディアで取り上げれば、即座に撤去される状況に、「予算や人出の不足は言い訳に過ぎず、政府の努力が足りないだけだ」と批判の声が上がっている。
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