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税金未納で収監の男性、猛暑でギブアップ


ニュース 社会 作成日:2014年7月15日_記事番号:T00051527

税金未納で収監の男性、猛暑でギブアップ

 贈与税の納付義務を負いながら「金がない」と主張して納付を拒み、収監されていた83歳の男性が、連日の猛暑で悪化した刑務所内の環境に耐えかねてギブアップ。面会に来た息子に「何とかして金を工面してくれ」と涙ながらに訴えた。

 桃園県楊梅市に住むこの男性は、2004年に保有していた土地の売却で約1億台湾元を取得し、そのうち3,700万元を7人の子供に贈与した。台湾では一定額を超えて贈与した場合、贈与した方に贈与税の納付義務が生じるが、男性は申告を行わなかったため、07年に国税局から納めるべき贈与税に罰金を加えた計2,100万元を支払うよう命じられた。

 しかし男性はその後も全く納付する意志を見せなかったため、法務部行政執行署が資産調査を行った結果、男性名義の財産は100万元しか残っていなかった。これを受けて行政執行署は彼が財産の隠匿を行ったと判断。11日に出頭して説明するよう命じた。

 ところが男性は「子供に贈与した残りの金で土地増値税を支払った他、別の土地を購入したが誰の名義で買ったか忘れた」などととぼける始末。「他に財産は残っていない」と主張する彼に担当官は分割で納税するよう提案し、「暑い刑務所で過ごすのはつらいよ」などと説得を試みたが、男性は「体力には自信がある。刑務所に入ることは怖くない」と言い張ったため、結局収監されることとなった。

 男性が収監されたのは3畳ほどの独房で、高齢だったことから気温が26度を超えた時点で扇風機や換気扇の使用が認められた。しかし、連日35度を超える最近の猛暑には太刀打ちできず、一日中ぬれタオルを頭に乗せて過ごしていたという。

 そして14日早朝、面会に来た息子の顔を見るや男性は涙を流し、早く金を用意してくれと懇願。その後、納税担当官にも「今週中に息子が税金を払うから」と連絡を入れた。

 かつて収監されたことがあるという人物によると、この暑さでは扇風機や換気扇は役に立たず、さらに数人が入る雑居房では汗や糞尿の臭いが充満して耐え難いらしい。やはり刑務所暮らしはそれほど生易しいものではなさそうだ。