ニュース 社会 作成日:2014年7月18日_記事番号:T00051612
 競技者の人口密度では世界一の「マラソン大国」となっている台湾では毎週のように各地でマラソン大会が開催されている。しかし、中には安全対策や参加費の返金規定が不十分であったり、走者がカラーパウダーを全身に浴びて走る「カラー・ラン」や仮装マラソンなどで後始末に不備があったりすることから苦情も絶えず、このほど政府が規制強化に乗り出した。
これまで台湾では、道路の使用申請さえ行えばマラソン大会の開催が可能だった。しかし、▽コース途中に給水所を設けておらず、走者の健康管理に懸念がある▽道路を完全に封鎖していなかったため走者が交通事故に遭遇した▽カラー・ランで使用された粉が川に流され環境を汚染した──などと問題が指摘される大会も数多く、昨年から今年にかけて行政院消費者保護処(消保処)には参加者や会場周辺住民からの20件以上の苦情が舞い込んでいるという。
こうした状況を受けて、政府はこのほどマラソン大会の実施について新たな規定を設ける方針を固めた。
その内容は、▽主催者は地方自治体に実施計画を提出し、審査を受ける▽健康リスクの高い参加者には医師の証明書と自分の意志で参加する旨の誓約書提出を求める▽コース周辺住民への影響を考慮し、交通規制情報などの告知を徹底▽給水所、医療・救護ポイント、仮設トイレなど各種設備の設置▽カラー・ランなど特殊イベントの場合は参加者の健康および環境汚染への対策を講じる──といったもので、教育部体育署を通じて来週にも台湾全土で公告、実施される予定だ。
なおフルマラソンの台湾記録保持者で、現在、台湾体育大学で陸上競技のコーチを務める許績勝氏は「主催者は十分なコース設計を行うなど安全な競技環境を提供し、参加者とコミュニケーションを図ることが必要」と指摘。さらに炎天下で行われる夏季の大会では、給水所にスポーツドリンクを置くなど熱中症に対する対策も万全を期す必要があると提言した。
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