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「金城武の木」、台風直撃で倒れる


ニュース 社会 作成日:2014年7月24日_記事番号:T00051696

「金城武の木」、台風直撃で倒れる

 23日に台湾を襲った台風10号(アジア名・マットゥモ)が、台東県池上郷新興村に立っていた1本のアカギの木をなぎ倒したことが大きな話題となっている。昨年公開された長栄航空(エバー航空)のCMで人気俳優の金城武がその木陰に腰を下ろしてお茶を飲んだ木で、このシーンが「美しい」と評判を呼んだことがきっかけとなり、同地に観光客が押し寄せるようになった。


「金城武の木」が再びしっかり根付くよう、エバー航空は維持費の負担を申し出た(23日=中央社)

 人気ブランド米「池上米」の産地として知られる池上郷の田園地帯の農道脇にぽつんと立ち、CM公開後、観光客によって「金城武の木」と呼ばれるようになったこのアカギの木は、40年ほど前に地主の祖父が植えたもの。この地主によると、当時は農作業用の牛をつないだり、木陰で休息するために使用していたそうだ。

 そんな何の変哲もない木をひと目見ようと、年間延べ40万人もの観光客が訪れるようになり、「年間5億台湾元の経済効果をもたらす観光資源」と呼ばれるようになった。これについて地主は「この木がこんなに人気者になるなんて、おじいさんは夢にも思っていなかっただろう」と語った。

 その大切な観光資源が倒れているのを発見したのは23日早朝に新興村を巡回した許金興村長だった。許村長が自身のフェイスブックページに「金城武の木が…倒れた…」と投稿すると、その情報は一気に拡散。その後、県政府から専門家が派遣され、水に浸かった枝のせん定や根の部分を防水シートで包むなどの処置がなされ、きょう24日午前10時すぎにはひとまず元通り立ち上げられた。

 なお「金城武の木」周辺は県政府によって「文化景観区」に指定されており、木の保護には計画書の提出が必要と規定されているが、専門家によると、木を枯らさないためには倒れてから2〜3日が鍵となるため、取りあえず規定を無視する形で対応することとなった。

 ただ、「金城武の木」の救助には多くの人が関心を寄せているようだが、地元住民からは少し異なる意見も出ている。というのも、観光客が爆発的に増えたことで現地の交通状況や環境、さらには農作業にも影響が出るようになったため不満を感じている住民も多く、「倒れたのは天の意志だ」と再生を望まない声もあるようだ。