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墜落機に搭乗の軍人カップル、10歳女児を救う


ニュース 社会 作成日:2014年7月25日_記事番号:T00051724

墜落機に搭乗の軍人カップル、10歳女児を救う

 23日に発生した復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)旅客機の墜落事故で、幸運にも生存が確認された乗員・乗客10人のうち、1組の軍人カップルが墜落後に事故機から避難する際、近くにいた10歳の女児を救出していたことが分かり「真の英雄」と称えられている。

 海軍中士の蔡佩儒さん(27・男性)および、彼と交際中の海軍上士、顔婉茹さん(30)は23日、勤務地の澎湖基地へ戻るため復興航空機に搭乗した。顔さんが事故後、同僚に語ったところによると、飛行中、目を閉じて休んでいた彼女は、機体が長時間旋回を続けるのを感じた後、ぼんやりと「これから着陸準備に入る」との機長アナウンスを聞いたという。

 しかしその後、機体が突然激しく揺れ始め、乗客たちから悲鳴が上がり、子供も大声で泣き出すなど機内は混乱に陥った。そこで顔さんは周囲の乗客たちに向かって大声で「シートをつかんで頭を下げて」を叫んだが、その数秒後、墜落したと思われる大きな衝撃が走ったそうだ。

 墜落後、負傷しながらも幸い命を取り留めた顔さんと蔡さんが、火の海となった事故現場から避難しようとした時、顔さんが前の座席に座っていた女児がシートに挟まれて泣いているのに気が付いた。そこで2人は力を合わせて女児を助け出し、半ば這いながら安全な場所へと移動した。

 その後、3人は病院に搬送されたが、顔さんは軽いくも膜下出血の症状に加え、頚椎(けいつい)を脱臼する重症を負っていた他、蔡さんも全身を打撲していた。女児は太ももに裂傷を負ったものの命に別状はなく、既に台北へ戻って病院で治療を受けているという。女児の父親は、顔さんと蔡さんにより娘の命が救われたことを知り、声をつまらせながら「2人の恩人に直接お礼を言いたい」と語った。

 ただ、「英雄」と称えられた蔡さんは「他の乗客も助けたかったが、本当に力が出なかった」と悔やしさをにじませた。

 なお今回の事故の生存者は機体後ろ半分の左側に集中していたことが分かっている。このエリアは墜落による爆発が小さかったことや避難口に近かったことが原因とみられるが、専門家は「墜落の高度や角度によって生存率の高低は異なる」として、絶対的に安全な座席はないと指摘している。