ニュース 社会 作成日:2014年7月30日_記事番号:T00051809
馬英九総統は27日、自身のフェイスブックページで同日営業を開始した台中市のバス高速輸送システム(BRT)に試乗した際に、乗り合わせた老夫婦の前で膝をつき、手を握って談笑する場面を撮影した画像を公開した。しかしこのほど、この夫婦が事前に手配された人物であることが発覚、さらにそのことが知られないよう画像に修正を加えていたことも明らかとなり、「台中市を平壌にするつもりか」などと批判を浴びている。
「演出」が発覚したのは馬総統がフェイスブックに投稿した画像と同じ場面を別の角度から撮影した画像を台中市政府が提供したことがきっかけとなった。
台中市の画像には、老夫婦が座る座席の背もたれ部分に夫婦のものと思われる名前を記した紙が貼り付けられており、あらかじめ二人が座る場所が指定されていたことがうかがえる。
しかし、馬総統のフェイスブック画像ではこの紙が消えており、ネットユーザーなどは「写真を偽装して市民を欺いた」などと批判の声を上げている。
なおこの問題について台中市の胡志強市長は「撮影された時刻には一般市民への搭乗が開放されておらず、この老夫婦は当然、事前に手配したものだ」と認め、林良泰・同市交通局長も「総統の安全を考慮した上で、画像の夫婦を招待した」と語った。
一方、総統府は「総統のフェイスブックは国民党本部が管理しており、画像の修正についてはコメントしない」と回答。国民党関係者は「夫婦のプライバシー保護のため、名前の部分を削除した」と説明した。
この他、台中BRTは27日午後から一般市民への搭乗が開放されたが、開放初日の搭乗者数について台中市政府は当初、延べ19万人と発表したが、「あまりに多過ぎる」との指摘を受けた後、延べ1万7,000人へと大幅に引き下げた。
これについて同市交通局は「同日開催されたマラソン大会の参加人数と間違えた」と釈明した。
画像修正にせよ搭乗者数にせよ底意があったかどうかは不明だが、このところ支持率低迷の続く馬総統や、年末の市長選で再選を目指すも苦戦が伝えられている胡市長も、いずれもイメージアップや業績アピールに慎重さを欠けば逆効果を生みそうだ。
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