ニュース 電子 作成日:2014年8月14日_記事番号:T00052133
新興通信キャリア、台湾之星移動電信(台湾スターテレコム)は13日、9月末までに開始する予定の第4世代移動通信(4G)サービスで、1カ月(31日間)の無料体験キャンペーンを開始した。4G対応スマートフォンを持っていれば身分証明書(2種類)のみで申請可能で、先行した業界大手3社の無料体験期間7日間を大きく上回る。知名度の低い台湾スターは、注目を集める販促手法で大手とのユーザー獲得競争に名乗りを上げた。14日付経済日報などが報じた。
台北101旗艦店では、開店記念セットの販売が行われることもあり、多くの人がオープン前から詰め掛けた(台湾スターリリースより)
1カ月無料体験キャンペーンは、同社が間もなく開始する4Gと既存の3Gサービスが31日間使い放題になる上、台湾スターおよび買収した威宝電信(ビボテレコム)への通話も無料だ。市内、他キャリアへの通話は10分間まで無料となる。希望者は、台湾スター、ビボテレコムの店舗で身分証明書2種類を提示し、有効期間31日のSIMカードを受け取って4G対応機種に取り付ければ利用できる。期間が過ぎるとカードが自動的に失効するため返却不要だ。申し込みは4Gサービス正式開始日の前日まで可能。無料キャンペーン利用者が同社の4Gサービスの通信プランを申し込む場合は、開始1カ月目の料金が半額となる。
台北101でも利用可能
同社が展開する4Gサービスの周波数は900メガヘルツ(MHz)で、電波浸透率が高く、屋内でもつながりやすいのが特徴。アップルのiPhone5sやiPhone5cも対応している。既に21県市の209行政区、商圏156カ所、観光スポット160カ所、夜市40カ所で利用対応準備を済ませている。人口カバー率は現在80%で、年内に95%に引き上げる予定だ。魏董事長は、試験期間でユーザー満足度が8割を超えたらすぐにでも正式にサービスを開始すると説明。頼弦五総経理は、遅くとも9月末までには開始したいと補足した。
台湾スターは同日、ビボテレコムの135店舗を台湾スターの店舗にリニューアルするとともに、台北101ビルに旗艦店をオープンした。魏董事長は、台北101ビルで4Gサービスを展開しているのは台湾スターだけと強調した。
イメージダウン懸念も
今回の無料キャンペーンについて、業界関係者からは「リスクが高い」との声も上がっている。注目は集めるものの、肝心の品質が良くなければイメージダウンが避けられないためだ。
実際、同社の周波数帯域は5MHzで、現在の通信スピードは最速25メガビット毎秒(Mbps)と、中華電信、台湾大哥大(タイワン・モバイル)の15MHz・100Mbps、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)の10MHz・75Mbpsに比べ周波数帯域が狭いため、通信スピードが劣っている。
これに対し頼総経理は、同社の通信スピードでも多くのユーザーには十分で、カバー率の方が重要だと指摘。大手3社のサービス利用者からはカバー率が低いとの声も聞かれていると語り、同社はカバー率首位を目指すと強調した。その上で「リスクを冒さなければ収穫は得られない」と批判に反論した。
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