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氷水かぶり流行に異議、金城武は次指名せず


ニュース 社会 作成日:2014年8月21日_記事番号:T00052243

氷水かぶり流行に異議、金城武は次指名せず

 難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)支援を表明する氷水かぶりパフォーマンス「アイス・バケツ・チャレンジ」のブームが台湾でも広がり、連日、著名人が氷水をかぶったというニュースがメディアをにぎわせている。一方、お祭り騒ぎのようになった今回のブームに対し、異議を唱える声も出始めている。


台中市の胡志強市長は、部下の女性局長4人から氷水をかけられ爽快だったようだ(20日=中央社)

 「アイス・バケツ・チャレンジ」は実行者が次に挑戦する3人を指名するのが通例となっているため、政界、財界、芸能界、スポーツ界と際限なくチャレンジの輪が広がり、中には歌手、謝金燕(ジェニー・シェ)のように一度に2人から指名されるというケースも出ている。

 これほど大きなブームとなったおかげで支援団体、台湾ALS協会への寄付は17〜19日の3日間で通常の5倍に当たる53万台湾元に上ったそうだ。しかも鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が表明した200万米ドルはこの中に含まれていない。

 ただ、ブームに違和感や批判を唱える者も出始めている。

 俳優の金城武は指名を受けて20日に氷水かぶりを実行し、その模様をユーチューブにアップロードしたが、一言も発することなく画面上に「一時的な流行に終わらせず、他の社会的弱者にも関心を向けてほしい」との字幕を表示させた。その上で「次の挑戦者は指名しない」と表明し、「この動画を見た者は自発的に社会のために何かをしてほしい」と訴えた。

 また鴻海の郭董事長はトップモデルの林志玲(リン・チーリン)を指名し、「露出の多い格好で実行してほしい」と語ったことが失言として取り沙汰されたが、当の林は「冷たい水ではなく温かい心を送りたい」とコメントし、氷水はかぶらず寄付を行うと表明した。

 この他、民進党の元主席で年末の新北市長選に立候補が決定している游錫堃氏から指名を受けたヒマワリ学生運動のリーダー、林飛帆氏は「できる範囲内で寄付する」とした上で、ブームに対し「ALS支援のための活動が台湾では政治家たちの低俗な遊びに変わった」と痛烈に批判。「政治家の役割は氷水を浴びて寄付を呼びかけることではなく、制度を改革して十全な介護体制を築けるよう具体的な政策を提案することだ」と訴えている。