ニュース 社会 作成日:2014年8月22日_記事番号:T00052269
財務状況の悪化を受けて今月公的管理下に置かれた中堅生保、国宝人寿保険(グローバル・ライフ・インシュアランス)は、葬儀社や不動産開発、レジャー、メディアなど多岐にわたる事業を展開する企業グループ、国宝集団に属している。その国宝集団の朱国栄総裁(61)が、かつてマカオで発生した現金輸送車強盗事件にかかわり、その後、台湾へ逃亡したという経歴の持ち主であることが明らかとなり話題になっている。
報道によると、朱氏は中国・広州市(広東省)の出身で、元の名は朱子昭。彼は1980年にマカオで仲間6人とともに現金輸送車強盗を働き、その過程で銀行員1人を死亡させた。当局に指名手配された彼は香港に逃れ、さらに台湾へと渡ったとされる。
彼は81年に「張炳坤」という偽名で中華民国の身分証を取得したが、その後、銃の密輸事件に加担して逮捕された際に身元が発覚。あらためて「朱子昭」の名前で身分証を取り直した。しかし92年に銃の不法所持で逮捕された後、94年に再度「朱国栄」に改名した。
出所した朱氏は宝飾品関係の事業を起こし、台湾の同業者で知らぬ者がいないまでにその名を高めた。さらに07年、国宝人寿の経営権を取得したが、その際「謎の香港人宝石商人」として注目を集めた。
その国宝人寿は今月12日、金融監督管理委員会(金管会)が公的管理下に置くと表明し、同社役員に出境禁止措置を取ったが、同社の役員名簿や大株主リストに朱氏の名はなく、金管会は同氏個人に処分を加えることはできないという。
ただ、その後調査を行った検察は、朱氏が国宝人寿の実質的な経営者だと指摘。さらに21日、同氏が株価の操作を行い、国宝人寿に2億台湾元以上の損失を与えたとして取り調べを行った。
なお当の朱氏はメディアの取材に対し、過去に強盗殺人に関わったことを認め、「若気の至りで後悔している」と語った。しかし一方で「過ちがなければ成功はこんなものではなかった」と豪語した。
ちなみに中国の刑法では銀行強盗や殺人を犯して逃亡した場合は時効の対象とならないそうで、彼は現在も指名手配犯ということになる。
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