ニュース 社会 作成日:2014年8月25日_記事番号:T00052295
商売の神様「関羽」などをまつる道教寺院で、日本人も多く訪れる観光スポットとなっている台北市の「行天宮」(同市中山区)では連日、ここを訪れる多くの参拝客がささげる線香の煙が充満し、建物内に備えられたテーブルの上には供え物が所狭しと並べられている。しかし同寺院では、長年親しまれたこの光景はもう見られなくなる。
行天宮はこのほど、資源節約と環境保護の理念の下、あす(26日)より本宮、北投分宮(関渡行天宮、同市北投区)、三峡分宮(白鶏行修宮、新北市三峡区)の全てで線香を上げるための香炉、および供え物を置くためのテーブルを撤去することを決めた。
行天宮の李楚華執事によると、毎年延べ600万人以上が参拝に訪れる同寺院では、大気汚染や信者の健康への配慮から12年前に5基あった香炉を2基に減らした。さらにその後も信者と協議を続けた上、まつられている神々に許しを得て香炉を全廃することになったという。
また行天宮は、供え物用に販売されている龍眼を乗せた蒸し米の菓子「米糕」が名物として知られるが、こちらも姿を消すことになる。現在、1日当たり約1,000個が残り物となっており、資源の浪費防止が目的だ。
行天宮建立以来の大改革に、同寺院でボランティア活動に従事する男性からは、「お香の煙を吸ってせきをすることも多かったため空気がきれいになって助かる」と歓迎する声が上がっているが、一方で「お香を上げないと神様への礼を欠いているような気持ちになる」と違和感を訴える信者もいるようだ。
なお行天宮の周辺では、参拝客に線香や供え物を販売する女性の姿を数多く見かけるが、こういった売り子はあすから収入源を絶たれることになるため、寺院の決定に強く反発している。
香炉の全廃や供え物の禁止は台湾の道教寺院としては初めての試みだそうだが、今のところ「伝統的な習俗、慣習を考慮して追随しない」などの理由から追随する寺院は現れていない。
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