ニュース 電子 作成日:2014年8月29日_記事番号:T00052427
ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は28日、富士通セミコンダクターが三重県桑名市に保有する半導体生産工場(12インチウエハー、月産能力2万8,000枚)を移管して設立する新会社に50億円を出資すると発表した。持ち株比率は9.3%。併せて富士通側に40ナノメートル製造プロセスの低消費電力技術を約50億円でライセンス供与する。UMCは2012年に日本子会社を清算し、日本での生産から撤退したが、今回の実質的な技術出資を通じて、リスクを抑えつつ再び日本市場でのビジネス拡大を狙う。29日付工商時報などが報じた。
富士通は7月末、半導体事業の再編を発表。傘下の富士通セミコンダクターのシステムLSI事業はパナソニックと統合し新会社を、会津工場と三重工場は分社化を決定した。会津の新会社には米オン・セミコンダクターの出資(持ち株比率10%)が決まっている。
三重工場に関しては当初、密接な提携関係を築いている台湾積体電路製造(TSMC)への売却を望んでいたが、TSMCは買収はおろか出資の意思もなかったことから、UMCやグローバルファウンドリーズ(GF)と協議してきた。UMCはかねてから8インチ工場の生産能力が不足しており、日本などアジア地域での工場購入や出資を模索していたため、両社の思惑が合致し最終的にUMCに決まったとみられる。
三重工場は最新プロセスが65ナノプロセスで、マイクロコントローラ(MCU)、自動車用ASIC(特定用途のために設計、製造されたIC)などを手掛けている。富士通向け以外では、ソニーが大口顧客で、CMOSイメージセンサーを受託生産している。
間接受注獲得も
UMCは、運営コスト抑制の難しさなどから、完全子会社、ユー・エム・シー・ジャパン(UMCJ、千葉県館山市)を12年に清算した苦い経験がある。しかし、今回は技術供与と引き換えにした出資で金銭的な負担はない。投資者の立場のため、出資効果が得られなければ資金引き揚げも可能な上、状況次第で出資拡大や買収を図ることもできる。UMCも将来的にそうした展開も視野にあるとしており、日本市場拡大を狙う上で好条件の取引とみられている。
三重工場はUMCの40ナノプロセス採用によって、ソニーからさらなる受注獲得の可能性があり、生産能力が不足すればUMCへの発注振り分けが期待できる。なお、現在UMCの売上高に占める日本市場の割合はわずか3%だ。
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