ニュース 社会 作成日:2014年9月3日_記事番号:T00052482
深刻な少子化や人口の偏りが進む台湾では入学シーズンを迎える9月初め、各地の小学校で「新入生1人だけの入学式」という光景が毎年のようにメディアに取り上げられる。しかし今年は、こうしたケースが台北市の小学校でも発生し、少子化の影響が大都市にも及んでいる実情が浮き彫りとなった。
苗栗県では4校で新入生が1人だった(中央社)
台北市北投区の市立洲美小学校で入学式が行われた1日、新1年生の女子児童、郭馥嫻ちゃんが母親に手を引かれて同校の門をくぐった。学校生活への期待を胸に教室へ入った馥嫻ちゃんだったが、新入生は自分1人であることをそのとき初めて知った。
台北市で「1人学級」というのは非常に珍しいそうだが、洲美小学校は既に来年8月1日付で廃校が決まっており、馥嫻ちゃんは転校を余儀なくされるものの、2年生からは友達とともに学校生活を送ることができる見通しだ。
一方、へき地の事態はさらに深刻で、新入生ゼロの小学校が続出している。新入生が入ってこないという状況が続けば当然、他校への統廃合が持ち上がってくるわけで、自校の存続を願う学校ではあの手この手を使って新入生獲得に向けた作戦を練っている。
彰化県の山間部にある同安小学校では今年の夏休み前、新入生にノートパソコンを贈呈すると発表。しかし豪華プレゼントにも効果はなく、新入生ゼロという結果に終わった。
一方、南投県の新興小学校では、今年入学予定だった児童が台北市に引っ越してしまったため廃校の話が持ち上がった。同校は事態を打開すべく、今年初めに同校のフェイスブックグループに「新入生急募」の書き込みを行った。
さらに、新入生に対して、放課後に無料で子供の世話をする、教師が送り迎えをするなどの「特典」を約束。好条件を引っ提げて教師たちが校区を超えて幼稚園や就学前の子供を持つ家庭を「営業」に回った。
そうこうするうちに、新興小の教師たちの奮闘を聞きつけたある企業家が、同校に最初に入学すると決めた新入生に対し、卒業までの6年間の就学費用を負担すると申し出た。するとこれに引かれてか、2人の女子児童が同校に就学することが決まった。
ただし、このような幸運に見舞われた学校は少なく、既に新入生ゼロが2年続き、全校児童が9人まで減少した澎湖県の虎井小学校のようなケースもあり、今後も小学校の統廃合はますます増えそうだ。
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