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作成日:2008年1月28日_記事番号:T00005250
野生の台湾黒熊、エサを求めて人里へ
日本ではここ数年、人里へ下りて来た熊が住民に危害を加える事件が多発しているが、台湾でも海抜1,000~3,500メートルの森林に生息する台湾黒熊が山を下り、海抜800メートルの低標高地帯で発見されている。
台湾黒熊は現在、約600頭が生息するのみの保護動物。体長は約130~160センチ、体重は100キロ以上、寿命は15~25歳で、全身が黒い体毛で覆われ、胸の部分に三日月状の白い毛があることから、ツキノワグマとも呼ばれる。
今月10日、台中県和平郷大雪山社区に住む農民宅の鶏舎で黒熊の姿が発見された。台中県農業局と自然保護協会が13日、黒熊の出没を確認するため現地に赴いたところ、大雪山の林道で黒熊の排泄物と爪痕を発見したという。
また蘋果日報が15日に同社区の果樹園に設置しておいた2台の赤外線カメラには、18日と21日の2回、台湾黒熊の姿が撮影されていたという。農業委員会特殊生物センターの鑑定で、撮影されたのは体重約80~90キロ、約2歳の台湾黒熊であることが判明した。
台湾黒熊は寒波の到来で食糧事情が悪化し、エサを求めて山を下りてきたものと考えられ、果樹園や鶏舎の囲いが破られるなど被害が出ている地域の住民らは戦々恐々としている。
同センターによると、熊は背中を見せて逃げるものを追う習性があるため、黒熊と遭遇した場合は静かにゆっくりと後ずさりするのが得策。よく言われる「熊に遭ったら死んだふりをする」と、本当に命を落としかねないという。