ニュース 社会 作成日:2014年9月12日_記事番号:T00052641
現在公開中の台北市を舞台とする話題のアクション映画『ルーシー』の劇中に登場する、主人公のルーシーが英語が話せないタクシー運転手を射殺するシーンに対し、「台北のイメージを損う」との意見が出ており、市議会議員が同市交通局に「タクシー運転手の英語スピーチコンテスト」を実施してその英語力を証明するよう要求した。同局もこれに応じる構えを示している。
『ルーシー』の問題のシーンに対し、観客からは「多くのタクシー運転手が英語を話せるし、日本語を話せる者もいる」と違和感を訴える声が上がっている。
実際、台北市が近年、特別に予算を組んで運転手向け外国語講座を開設している他、大手タクシー会社、台湾大車隊が関連企業と協力して運転手が英語、日本語、韓国語を学べるクラスを設けるなど企業側も語学力強化に努めている。一部では運転手が英語検定に合格していることを広告に打ち出す業者もある。
こうした努力が行われる中、『ルーシー』により「台北のタクシーは英語が通じない」というイメージが広がりかねないとして、台北市議会交通委員会はスピーチコンテストで名誉挽回を図るべきと提言した。
これに対し交通局は、今後コンテストの実施内容について検討を進め、最終的に証明書や賞状の授与を行うとの方針を示した上で、問題のシーンを市が独自に、タクシー運転手が英語を流ちょうに話す形に撮り直すとのアイデアも披露した。
なお同市文化局の劉維公局長は、「タクシー運転手の英語能力向上は台北市が国際都市として発展する上で、映画とは関係なく必要なこと」と指摘しつつ、「『ルーシー』がきっかけで運転手が英語学習に興味を持ったならば、それは良いことだ」との認識を示した。
一方で現場の運転手からは、「意図は素晴らしいが、多くの運転手は仕事で金を稼ぐだけで精いっぱいで、授業に出たりコンテストの準備をする時間をつくるのは難しい。運転手たちの窮状にも注意を向けてほしい」との声が上がっている。
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