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六福集団が遠東航と戦略提携へ、中台観光開放に布石


ニュース 商業・サービス 作成日:2008年1月28日_記事番号:T00005274

六福集団が遠東航と戦略提携へ、中台観光開放に布石

 
 六福旅遊集団の荘村徹董事長は、遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)に1億台湾元(約3億3,000万円)規模の出資を行う計画を明らかにした。次期政権下で中国人観光客の開放および直航が実現する可能性が高い観測を踏まえ、遠東航との戦略的提携によって相互の利益拡大を目指す。28日付経済日報が報じた。
 

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遠東航空の757型機。国際線は東南アジアを中心に7カ国に乗り入れている(ウィキィペディアより)
 
 荘董事長は出資計画について、「経営権には興味がなく、純粋な出資」と語っている。近く同集団の董事会に諮る予定で、遠東航側も計画を歓迎していることもあり、正式に決定する見込みだ。

 同グループは傘下にホテルの六福客桟(台北市長春路)、六福皇宮飯店(台北市南京東路3段)、テーマパークの六福村主題楽園(新竹県関西鎮)などを保有しているが、中国関連の今後の商機をにらんで昨年末に旅行会社を新たに設立し、名称も従来の「六福集団」から「六福旅遊集団」に変更した。遠東航との提携により、ホテルとテーマパークに航空券を組み合わせたパッケージツアーなどのサービスが考えられる。

 荘董事長は、中国人観光客をめぐる商機について、「5つ星クラスのホテルは欧米のビジネス客を主力としており、開放されれば最も直接的に恩恵を受けるのは、ミドルクラスのホテルだ」と語り、六福にとってチャンスだと期待を寄せている。

国際シャトル便にも注目
 
 遠東航は昨年、財務体質強化に向けて減資および増資の計画を決定した。現在60億6,800万元の資本金をいったん34億元減資した上で、第3者割当により10億元の増資を、早ければ9月末までに行う。六福の出資は新たな増資の約10%を占める。

 同社は高速鉄道開通による域内線の冷え込みを見越して、韓国済州島経由の中国便など、国際線を積極的に開拓。既に国際線の売上高が全体の65%を占めている。

 総統選挙では、国民党公認の馬英九候補が就任後1年で中国と定期航空便を開設を公約するなど航空路線の拡大に熱心で、台北・松山、上海・虹橋、東京・羽田、ソウル・金浦の各拠点空港を結ぶシャトル便実現も打ち出している。松山空港が直航やシャトル便の発着空港となった場合、同空港を拠点としている遠東航は大きなメリットが見込めるとして注目している。

 遠東航の昨年第3四半期までの営業赤字は3億7,700万元で、第3四半期に子会社の遠和投資が保有していた遠東航株の処分に伴い17億元以上の損失を計上したため、第1~第3四半期への純損失は21億9,600万元に達した。