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大学寮を又貸し、高騰する生活費捻出で


ニュース 社会 作成日:2014年9月29日_記事番号:T00052934

大学寮を又貸し、高騰する生活費捻出で

 新学期を迎えた9月、大部分の新入生が下宿先を見つけて大学生活をスタートさせているが、特に物価の上昇が目立つ大台北地区(台北市、新北市、基隆市)では、自分が入居するはずの学生寮を又貸しして、差額を生活費に充てる学生も少なくないようだ。

 台湾大学の学生寮は、所在地や何人部屋かによって異なるが、家賃は1学期(5カ月)7,000〜1万2,000台湾元。寮への入居は抽選で決まるが、一部の学生は他の学生に1カ月5,000〜9,000元で又貸しすることにより、自分はわずか月1,000~2,000元で学外で生活するという。

 屏東出身の男子学生は、前学期に学生寮への入居権を引き当てた。しかし、1日の大半を教室や図書館で過ごすので、寮は寝るだけの場所。1カ月8,000元で他の学生に又貸しし、自分は月4,500元のシェアハウスに住むことにした。これにより生活に金銭的余裕が生まれるという。

 台中出身で北部の大学に通うある男子学生は、最初、学生寮に入ったが、ルームメイトのいる生活に慣れず、門限があることにも不満だったことから又貸しを決めた。寮の家賃は既に両親が支払っており、又貸しで得た収入を生活費に充てているそうだ。

 一方、台湾海洋大学(基隆市)3年の男子学生、陳子豪さんは「寮に住んだ方が結局安くつく」と語る。彼は2年のときに同級生と一緒に部屋を借りたが、1カ月に家賃2,500元の他、光熱費が約1,000元かかる。外食の誘惑が多く、門限もないため1日に4食取ることがあり、1カ月の生活費は1万2,000元に急増した。これに対し学生寮は光熱費込みで1学期8,000元、誘惑も少ない。彼は今学期、再び入居権を引き当て、宿舎に戻ってきた。

 結局は自分次第と言えそうだが、不動産の専門家は、どの大学でも寮の又貸しを厳禁しているため、家賃不払いなどのトラブルに陥っても法的保障はなく、リスクが高いと注意を促している。