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香港の抗議活動、台北からも声援


ニュース 政治 作成日:2014年9月29日_記事番号:T00052941

香港の抗議活動、台北からも声援

 香港で2017年の特別行政区長官選挙を民主的な制度の下で行うよう求める市民の抗議活動が激しさを増しており、29日付蘋果日報などによると、現地警察当局は28日夜、催涙弾10数発を発射して群衆の解散を促し、もみ合いの中で計41人がけがを負った。台湾では学生運動団体が台北市の香港経済貿易文化弁事処で抗議の座り込みを行ったほか、行政院大陸委員会(陸委会)が運動への支持を表明した。


香港の主要通りのコンノート・ロードを埋める抗議活動の市民たち。28日の参加者は6万〜7万人に達した(28日=中央社)

 台北では28日夜、中正紀念堂の自由広場で華人民主書院と劉暁波友の会による香港の運動に声援を送る記者会見が開かれた後、ヒマワリ学生運動の参加者で組織した島国前進(台湾マーチ)のほか、台左維新、公民自主機動陣線、福爾摩鯊会社などの団体のメンバー約100人が香港経済貿易文化弁事処の1階ロビーで座り込みを行った。

 1989年の天安門広場の学生運動でリーダーを務め、現在清華大学(新竹市)で客員教授を務める王丹氏は「香港の次は台湾だ」と述べ、香港の民主化運動への支持を台湾各界に呼び掛けた。

 陸委会は「香港住民が民主的な普通選挙を求めることは時代の発展に合致している」と運動への支持を表明。中国、香港特別行政区、香港各界に対し、理性的な対話によって合意点を求めるよう呼び掛けた。

 政党では野党民進党が運動への支持を打ち出したほか、与党国民党も事態の推移への関心を表明し、当事者に理性的な対話による解決を求めた。

人民解放軍配備報道も

 17年の行政長官選挙をめぐり、中国全人代は8月末、香港民主派が要望していた一般市民のノミネートによる候補者擁立を認めない案を提示し、民主派の立候補を事実上締め出した。

 これを受けて香港では「セントラルを占拠せよ(占領中環)」と称する抗議運動が発生した。運動団体は催涙弾を使った鎮圧に抗議するとともに、民主的な普通選挙の実現や、梁振英行政長官の辞任などを要求。期待する回答が得られない場合は無期限ストライキを決行するとしている。

 一方、中国東方網によると、中国は既に人民解放軍を香港と深圳の境界に配備しており、香港特別行政区政府に対し48時間以内に抗議を収束させることを要求。解決できない場合は人民解放軍を派遣すると通告したという。これに対し香港特別行政区政府は28日、人民解放軍の出動を求める考えはないと表明した。

 中国が香港民主派の要求を飲む可能性はゼロに近く、事態の先鋭化に懸念も出ているが、きょう29日は運動への参加者数が大幅に減ったという。