ニュース 運輸 作成日:2008年1月29日_記事番号:T00005305
立栄航空(ユニー航空)が3月1日から、台北~高雄線の運航から撤退することを、交通部民航局が28日発表した。南北の2大都市を結ぶ、台湾高速鉄路(高鉄)開通前のドル箱路線からの撤退は同社が初めてだ。高鉄への対抗上、最近は片道運賃を1,200台湾元(約4,000円)まで値下げしていたが、先月の乗客数は前年比85.3%減の延べ9,800人と、全く効果が上がっていなかった。追随して撤退を決める航空会社が他にも出るのか注目される。
07年は1億元の赤字
立栄の昨年の赤字額は1億400万台湾元に上った。
高鉄の開通後、航空各社は大幅な運賃割引に踏み切り、立栄は台北~高雄の片道運賃を1,770元、1,390元、1,200元と、段階的な引き下げを行ってきた。これにより、乗客の搭乗率は一時60%まで回復したが、その後45%まで落ち込み、高鉄の2割引の自由席導入もあって業績の回復は難しいと判断、今回の撤退申請に至った。なお、同社は今年からコスト削減のため、同路線の就航便数を1日2便まで減便していた。 一方、華信航空(マンダリン航空)、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)、遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の3社は、台北~高雄線の運航停止に追随する予定はないとしている。
しかも、華信は春節(旧正月)明けから100~200元の値上げを行う予定で、復興も値上げを望んでいるとされる。これは値下げの効果があまりないという判断のためで、立栄の撤退決定を含め、西部の長距離輸送市場で高鉄の絶対的な優位が浮き彫りになった形だ。29日付自由時報は、「台北~高雄線で将来的に生き残れるのは1社のみ」という予測を伝えている。
遠東も台南線の運航停止検討
なお、遠東航空も3月1日より台北~台南線の運航停止を検討している。台北~台中、台北~嘉義線は既にすべての航空会社が運航を停止している。
一方の高鉄は、12月単月の乗客者数が初めて延べ100万人を突破し、対象的な好調ぶりだ。昨年の売上高は140億元で今年は300億元を、乗客数は昨年の延べ1,579万人から、今年は2倍の延べ3,000万人を目標とする。
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