ニュース 社会 作成日:2014年10月6日_記事番号:T00053072
台湾では近年、多くの歯科医院で患者に対し、診察の前にまず口の中のレントゲン写真を撮ることが慣例化している。しかしこれに対し、市民から、むやみにレントゲンを撮ることで放射線による健康被害が出るのではないかと懸念する声が上がっている。
台湾では歯科治療の際、医師が患者の状態を詳しく把握できるよう、業界の提言により2010年から初診の際のレントゲン撮影に対し、1人当たり600台湾元の健康保険給付を行っている。
このため歯科医院によるレントゲン撮影に関する医療費の給付申請件数と額は年々増え続けている。衛生福利部中央健康保険署(健保署)の統計では11年に157万件だった申請件数は13年に175万件に増え、その間、給付額も9億4,000万元から10億5,000万元に増えた。
ただ、無料で受けられるからといってむやみにX線を口の中に照射すれば被ばくのリスクが高まり、健康被害につながるのではないかとの懸念を感じる患者も少なくない。
中には診察を受ける前からレントゲンを撮られることに疑問を抱き、これを拒否した受診者もいたが、「当院が定めたプロセスを踏まなければ診察できない」と言われたそうだ。
これについて歯科医の同業者団体、「牙医師公会全国聯合会」では、虫歯や歯周病が隣接した歯にある場合、レントゲン写真を基にした診断を推奨しており、全ての患者に必要なわけではないとしているが、一部診療所では診察時間を短縮できるため「まずレントゲン」が慣例化しているという。
行政院原子能委員会(原能会)によると、歯科診療におけるレントゲン撮影で患者に照射されるX線の放射線量は0.005ミリシーベルトと極めて小さく、健康への影響はないそうだが、一部専門家は、短期間に別の病院で同じ部位を撮影するなど不必要なレントゲン撮影は避けるべきだと提言している。
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