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彰化に観光フェリーターミナル建設へ、50億ドル投資


ニュース 運輸 作成日:2014年10月8日_記事番号:T00053150

彰化に観光フェリーターミナル建設へ、50億ドル投資

 クルーズ客船運航大手、米ビクトリアクルーズは7日、自由経済モデル区となった彰化浜海工業区(彰浜工業区、彰化県)に50億米ドルを投じ、5~8年以内に埠頭(ふとう)と高級ホテルや商店などから成るフェリーターミナルを建設すると発表した。中国を中心にクルーズを楽しむ旅行者が今後5~10年で50%増えるとみており、彰化をアジア太平洋におけるクルーズ産業の中心拠点としたい考えだ。8日付工商時報などが報じた。


卓伯源県長(右5)は、シンガポールのマリーナ・ベイのような高級な観光拠点にしたいと語った(彰化県リリースより)

 ビクトリアクルーズは同日、彰化県政府と50億米ドルの提携投資意向書に署名した。彰浜工業区の崙尾区(1,343ヘクタール)が9月30日、経済部に自由経済モデル区入りを認められて以降で初めての投資意向書で、外資による台湾投資額としては過去3年で最高だ。

日中韓の港湾と提携模索

 畢東江(ジェームス・ピー)ビクトリアクルーズ総裁は、300ヘクタールの土地に大型フェリー4隻が停泊できる母港を建造すると表明した。同時に、上海、韓国、日本の港湾との提携を模索し、中国や東南アジアのクルーズ市場を狙うと話した。

 畢総裁は、彰化県を選んだのは中国に近く、台湾高速鉄路(高鉄)も通っており南北に移動しやすいためで、自由経済モデル区になり投資の魅力が増したためと説明した。世界のクルーズ人口は年間2,000万人で、5~10年後には1,000万人増え、中でもアジア、特に中国の利用者が増えると予測している。

 大手旅行会社の雄獅旅行社(ライオントラベル)は、近年クルーズ船が台湾に寄港するようになり、料金も2万~3万台湾元(約7万~11万円)まで下がっており、今後クルーズ市場は急成長すると予測した。主なクルーズ出発地は現在、基隆港と高雄港で、ビクトリアクルーズは中部で市場開拓を有利に進められそうだ。

台船と提携か

 畢総裁は、台湾で10万トンクラス以上の豪華客船を2~4隻建造する計画も示した。イタリアの最新の造船技術を導入し、台湾の造船会社と提携したいと述べた。建造費は1隻当たり300億元の見込み。

 これについて台湾の造船最大手、台湾国際造船(台船、CSBC)の陳豊霖総経理は、フェリー造船の経験はないものの興味があり、検討作業を進めると語った。その前に船舶修理から提携して徐々に関係を深めたいと呼び掛けた。