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人気料理人が「危機管理のお手本」に、食用油事件対応で絶賛


ニュース 社会 作成日:2014年10月13日_記事番号:T00053181

人気料理人が「危機管理のお手本」に、食用油事件対応で絶賛

 頂新国際集団の傘下企業が、飼料用油をラード(豚脂)など食用油の原料に使い、多数の食品業者や飲食店に販売していたと見られる事件で、テレビの料理番組などで人気の料理人、「阿基師」がチーフシェフを務める福容大飯店(フーロン・ホテルズ・アンド・リゾーツ)でも問題のラードを使用しているとの疑惑が生じた。そして指摘を受けて阿基師は直ちに記者会見を開き、使用の事実と自らの責任を認め謝罪した。この迅速かつ誠実な対応に称賛が集まっている。


阿基師は、問題のラードは全て返却し、損失は100万台湾元(約350万円)に上ると説明した(9日=中央社)

 頂新集団の食用油問題が発覚した8日、福容大飯店が問題のラードを使用しているとの疑惑が流れ始めた。阿基師は翌9日午前に会見を開き、自身が監修するホテル内のレストラン「阿基師茶楼」での問題ラードの使用を認め、見抜けなかったのは自らの不明と頭を下げて謝罪。今後は自製のラードを使用する他、過去に同レストランを利用した客に対し2割引きとするなど対応を表明した。

 一方でその時点でメディアの前に姿を現していなかった頂新集団の魏應充董事長(当時)に対しては「それで夜、眠れるのか」などと厳しく非難し、速やかに自ら説明を行うよう呼び掛けた。この会見を受けて阿基師のファンや消費者からは続々と彼を支持する声が上がり、台北市、新北市、高雄市の阿基師茶楼は同日から3日間、全て予約で満席となった。

 阿基師の対応は、メディアから「極めて迅速で、謝るべきところは謝り、怒るべきところは怒り、問題をあやふやにしなかった」「立法委員や市長選立候補者は彼の危機対応能力を学ぶべき」となどと称賛を浴びている。まさに危機管理のお手本というわけだ。

 ちなみに頂新集団の魏元董事長は問題発覚から4日後の11日にようやくメディアの前に姿を見せて謝罪したものの、インターネット上などでは同グループの商品に対する購入ボイコットの呼び掛けが行われるなど批判はやんでいない。