ニュース 社会 作成日:2014年10月14日_記事番号:T00053209
今月10日、台湾では中華民国の建国記念日に当たる双十節(辛亥革命記念日)を迎えた。しかし近年、中華民国は1949年に消滅したと主張する中国で、この双十節を祝う市民が増えている他、民国時代の雰囲気や歴史、人物を懐かしむ風潮が強まっており、ちょっとした「民国ブーム」が起きている。
中国では49年に共産党が国民党との内戦に勝利して中華人民共和国を建国した後、中華民国時代を「悪のまん延した旧社会」と位置付けた。しかし、77年の文化大革命終息以降、台湾統一を目指す必要から同時代を評価することに徐々に寛容になり、80年代以降はメディアによる日中戦争期の国民党の功績に対する評価が認められるようになった。
こうした中、比較的民主的だった中華民国時代を賛美する風潮が知識人の間で徐々に広がり、現在では交流サイトのプロフィール写真に中華民国の青天白日満地紅旗や国民党の党章を使用するネットユーザーが少なからず存在する。
英BBCの中国語サイトが「双十節を祝う大陸人」と題して8日に発表した特集記事によると、中国の交流サイト上では近年、毎年10月になると双十節に対する祝賀コメントの書き込みが数多く見受けられるようになっており、今年も「双十節こそがわが祖国の誕生日」(山東省のユーザー)、「『赤禍』の深刻な大陸(中国)にいるが、青天白日(国民党を示す)に憧れる。建国記念日おめでとう」(湖南省のユーザー)といった書き込みが出現したという。
なお同紙は「中華民国時代を懐かしむ人々の目には、同時代の思想および言論の自由度が49年以降の中国のいかなる時期に比べても上回っており、これが台湾の民主化につながったと映っている」と分析している。
こうした現象に対し、中国共産党中央委員会の機関紙、人民日報の国際版「環球時報」は10日、「病的な『民国ブーム』は歴史に対する侮辱」と題する批判記事を掲載。「一部の者がこれを政治的に利用し、中国社会の主流な歴史観を覆そうとすることは欺瞞(ぎまん)だ」と断罪した。
しかしこの記事に対し、中国では「民国時代への評価は現在の某政党による集権的統治や腐敗に対する不満の表明だ」など多くの批判が起きており、民主化への期待が徐々に高まっていることを反映しているようだ。
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