ニュース 社会 作成日:2014年10月15日_記事番号:T00053235
頂新国際集団傘下の食用油メーカーが食用に適さない原料を使用していたとみられる事件が台湾全土を揺るがす中、同事件は台南市で小吃(軽食)屋台を営む1人の男性が、夜市(ナイトマーケット)で販売されていたノーブランドの安い揚げ物に疑念を抱いたことがきっかけとなったことが明らかとなった。
捜査関係者から「A氏」と呼ばれるこの男性は今年7月、夜市である廃油回収業者から揚げ物油を非常に安い値段で売り付けられた。しかし、自ら調理師免許を持ち、飲食屋台を経営するA氏は「怪しい」と直感し、劣悪な油が出回り、市民に健康被害が出てはならないと考えて通報しようと決意。さっそくこの回収業者から18リットルの揚げ物油を購入し、台南市の調査機関に業者の名刺を添えて送付した。
これを受けて同機関は揚げ物油を検査に回すと同時に、廃油回収業者の捜査を開始。その結果、この業者は回収した廃食用油を台南市関廟区にある違法工場に搬入しており、この工場は高雄市の高層ビル「高雄85大楼」に事務所を構える「東昇緑能」という会社が所有していることが判明した。
その後、この会社の経営者が捜査員の取り調べに対し、夜市で回収した廃食用油4,000万台湾元分を鑫好という企業に販売したことを認めた。そして、さらに捜査を進めた結果、鑫好はこの廃食用油を全て頂新集団傘下の食用油メーカー、正義公司(高雄市仁武区)に卸していたことが明らかとなった。
いわば1人の屋台主が大企業の悪徳商売を暴いた格好だが、A氏は「使用済み油から作られた食用油は不衛生だと考えただけで、これほどの騒ぎになるとは思わなかった」と語っている。ただ、頂新集団のトップが謝罪する姿を目にし、やってよかったと感じたそうだ。
なおA氏は現在、検挙された業者からの報復が懸念されるため、身元が明らかにならないよう当局の保護を受けている状況だが、「やるべきことをやっただけ」とまったく後悔はしていないようだ。
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