ニュース 運輸 作成日:2014年10月29日_記事番号:T00053504
財務危機に陥った台湾高速鉄路(高鉄)が今月23日、累積損失を一掃するため、減資後に増資を図る財務改善プランを決定したことに関連し、2009年に高鉄の董事長を辞任した殷琪元董事長(大陸工程董事長)は、同プランが来年2月の臨時株主総会で否決された場合、高鉄が交通部を相手取り、少なくとも2,000億台湾元(約7,100億円)の損害賠償を求める仲裁を申し立てることを想定し、準備を進めていることが分かった。有力週刊誌、壱週刊(30日号)が報じた。
高鉄は台湾の大動脈として定着したが、BOT方式による経営を選んだ政府は見通しが甘過ぎたようだ(中央社)
高鉄の政府系株主と民間株主の大半が財務改善プランに同意する中、高鉄の民間株主、大陸工程を率いる殷氏は、高鉄の財務危機の責任を政府に徹底して問う姿勢を示した格好で今後の動向が注目される。
殷元董事長は、大陸工程を代表して董事会に出席した江金山董事を通じ、今回の財政改善プランに反対を表明した。
江董事は「政府は経済情勢や輸送量、(1999年の台湾大地震など)不可抗力による事態で判断を誤り、高鉄が多額の損失を抱えるに至った」とした上で、それに対して関係官庁は予算編成を行い、負担しようとしなかったと指摘した。
来年2月が鍵
当面のヤマは来年2月10日に予定される臨時株主総会だ。財務改善プランに反対している大陸工程、太平洋電線電纜(PEWC)の持ち株比率は合計でも13%にすぎないが、減資で損失を受ける少数株主は減資前の段階で40%の株式を握っており、勢力を結集すれば臨時株主総会で財務改善プランが否決される可能性も出てくる。
江董事は「財務改善プランが可決されなければ、高鉄が交通部を相手取り、賠償要求の仲裁を申し立てることになる」と述べた。
一方、財務改善プランが可決され、減資後の増資が順調に進めば、賠償請求の名分は失われる。また、政府系株主の持ち株比率は現在の23%から40%に高まり、高鉄のBOT(建設・運営・譲渡)方式による経営は形骸化する。
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