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《頂新食用油事件》ベトナムの楊容疑者、「汚点証人」になれず供述一転


ニュース 食品 作成日:2014年10月31日_記事番号:T00053574

《頂新食用油事件》ベトナムの楊容疑者、「汚点証人」になれず供述一転

 ベトナムのダイハインフック(大幸福)社の台湾人経営者、楊振益容疑者は30日、「飼料用油も精製すれば食用になる」と供述を一転させた。取り調べでは、犯罪に関係していても重要な証言をした場合、刑罰が軽減される「汚点証人」になるため、「魏応充前董事長の指示」と供述していたとされる。彰化地方法院検察署(地検)は同日、楊容疑者を起訴し、懲役18年を求刑している。31日付自由時報が報じた。


楊容疑者(左)。飼料用油の転売で大もうけし、「ウィンウィン」が続くはずだった(30日=中央社)

 楊容疑者は、通関書類はベトナム語なので友人に頼んだと話し、賄賂を渡してベトナムの検査員に不実の報告書を作らせてなどいないと供述した。

 中国時報によると、楊容疑者は2002年に飼料用油販売のダイハインフックを設立した。11年に台湾の食用油価格が上昇した際、頂新製油実業(彰化県永靖郷)の総経理となっていた旧知の常梅峰容疑者と共謀し、台湾への飼料用油供給を開始。楊容疑者は現地の検査会社に「食用油」の偽造文書を作らせていた。魏応充前董事長も飼料用油と知りつつ、将来は頂新製油をダイハインフックの台湾総代理店にしようと計画していたという。

ベトナムの飼料用油、追跡困難

 行政院農業委員会(農委会)の統計によると、ダイハインフックから11~14年に輸入された非食用油脂は4万トン余りで、食用に流用されていないと確認できたのは7,698トン。農委会関係者は、残りの大半、3万トン近くを仕入れていた永成油脂は、供給先がほぼ飼料メーカーで、食品事業の兼営は10%余りの上、飼料用と食用タンクが分離できているかも不明だと指摘。書類の一部が既に破棄されたとうわさされており、非食用油脂の供給先の追跡は困難になると懸念している。