ニュース その他分野 作成日:2014年11月3日_記事番号:T00053601
日本銀行が31日発表した追加の金融緩和措置の影響を台湾も注視している。経済部工業局は、末端製品の輸出に影響が及び、3C(コンピュータ、通信、家電)製品、工作機械完成品、自転車、プラスック・ゴム製品などで特に影響が大きいと指摘した。ただ、台湾は日本製品のサプライチェーンの一端を担っており、ファウンドリー、工作機械部品、自転車部品などは日本の輸出増に伴い好影響が期待できるとみている。1日付経済日報が報じた。
工業局はまた、円安の進行に伴い、日本企業のさらなる台湾誘致や、台湾企業との合弁による生産拠点設置を促したい構えだ。
工業局は追加金融緩和の台湾への影響を分析すると同時に、韓国との比較にも注意を払っている。韓国と日本は輸出製品の重複割合が高いため、今回の円安で受ける衝撃は台湾よりも大きく、特に欧米市場向けの3C製品やスマートフォン、自動車などで影響が大きいとみている。
台湾経済研究院(台経院)の孫明徳景気予測センター主任は、円安がウォン安を呼び、台湾元も追随安となることで、台湾は依然輸出競争力を確保できるとの見方を示した。
日本製品、値下がりも
9月に円安が進行した際、台湾では日本製品の値下げへの期待感が高まったが、3日は1米ドル=112円台後半に突入した。販売業者からは、第4四半期の商品調達は既に終了したため現在の円安が直ちに価格に反映されることはないが、来年度の調達計画が始まっているため、日本円を基準にしている業者は好条件を得ることが可能との見方も出た。
ちなみに今年の円安で台湾無印良品(MUJI台湾)は、衣料品やスナック菓子、文房具などで5〜15%の値下げを行ったことが消費者の好感を呼び、業績成長につながったという。
株式市場に日本資金流入も
一方、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が外国株式の投資割合の25%への引き上げを決めたことにより、外資系証券会社は台湾株式市場への資金流入が期待できるとしている。
GPIFは同時に、外国株式のベンチマークを新興国の上場株式市場も含めた上場インデックス世界株式(MSCI ACWI)に変更することを発表した。GPIFの現在の運用規模は1兆2,000億米ドル、台湾株式がMSCI ACWIに占める割合は1.34%であることから、台湾株式市場にパッシブ型ファンドで約40億米ドルが流入するとみている。
GPIFは年金基金の運用で安定性を重視するため、台湾積体電路製造(TSMC)、鴻海精密工業、聯発科技(メディアテック)、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス、台塑)などの値がさ株や、配当率の高い銘柄への投資が見込まれる。
気になる為替の動向だが、3日はシドニー外国為替市場で1米ドル=30.504元、112円67銭を付けた。ある銀行は「人民元が下落すれば、アジアの通貨はさらに下落が進む」との見方を示した。
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