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TSMCがクアルコム龍潭工場買収か、封止・検査を強化


ニュース 電子 作成日:2014年11月10日_記事番号:T00053738

TSMCがクアルコム龍潭工場買収か、封止・検査を強化

 10日付経済日報によると、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)がクアルコム台湾支社の桃園県龍潭郷にある工場を買収し、パッケージング・テスティング(封止・検査)拠点とする考えだ。買収額は数十億台湾元(1元=約3.7円)。一貫生産体制を強化してアップル、クアルコム、聯発科技(メディアテック)など大手からの受注を増やし、サムスン電子、グローバルファウンドリーズ(GF)など競合に対するリードを広げる狙いだ。

 TSMCは今月開催の董事会で買収計画を承認するとみられる。張忠謀(モリス・チャン)董事長の後継者候補として、魏哲家、劉徳音の両氏が共同執行長に就任して以来、初の大規模買収となる。同社は9日、ノーコメントとした。

 ある半導体製造装置メーカー関係者は、TSMCが最近発表した低コストの集積ファンアウト型パッケージ(INFO)、ハイエンド3次元IC(3DIC)のCoWoS(チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート)パッケージのソリューションが伸びると予測した。

ASE・SPILに打撃

 TSMCは大手顧客に一貫生産サービスを提供するため、既に400人の専門部隊を設立している。

 クアルコムやメディアテックは従来、TSMCに生産を委託した後、日月光半導体製造(ASE)や矽品精密工業(SPIL)にウエハーを封止・検査させていた。TSMCが後工程の封止・検査を強化することで、窓口の1本化、納期短縮が見込めるため、今後発注がTSMCにさらに集中し、後工程を持たないファウンドリーやASE、SPIL、力成科技(パワーテック・テクノロジー、PTI)は受注を減らす恐れがある。

14年売上高、26%増へ

 市場調査会社、ICインサイツの半導体業界の2014年売上高予測によると、TSMCは世界3位の250億8,800万米ドルで前年比26%増。上位20社中、最高の伸び率が予想されている。

 首位はインテルの513億6,800万米ドルで6%増、2位はサムスンの372億5,900万米ドルで8%増。クアルコムは4位で191億米ドル、11%増の予測だ。

 一方、伸び率の2位は2月に晨星半導体(Mスター・セミコンダクター)買収を完了したメディアテックで、前年比25%増の71億4,200万米ドルの予測だ。

 上位20社の合計は2,595億6,000万米ドルで前年比9%増の予測。TSMCや聯華電子(UMC)などファウンドリーを除くと2,301億7,000万米ドルで8%増の見通しだ。

【表】