ニュース 電子 作成日:2014年11月13日_記事番号:T00053819
台湾積体電路製造(TSMC)は12日、16ナノメートル立体構造トランジスタ(FinFET)製造プロセスのアップグレード版「FinFETプラス」が試験生産に入っており、今月末までに全ての信頼性テストを終え、来年7月ごろに量産に入る見通しだと発表した。スケジュール通りに進めば、アップルの次世代プロセッサー「A9」受注争いでサムスン電子に差を付け、早ければ来年夏にも「A9」を生産できる見通しだ。13日付経済日報などが報じた。
TSMCは今年第2四半期に20ナノプロセスの量産体制を完成させており、来年夏に16ナノFinFETプラスの量産に入れば、世界で初めて2年連続で最先端プロセスの量産に成功するファウンドリーとなる。その場合、10ナノプロセスで2年以内にインテルに追い付く目標がより現実味を帯びそうだ。
TSMCによると、16ナノFinFETプラスは同社の20ナノシステムオンチップ(SoC)と比べて速度が40%向上、同一速度下で電力消費が50%減少し、次世代ハイエンドモバイル端末やネットワーク、消費者向け製品への応用に適している。同社はまた、来年末までに約60件の16ナノFinFETプラス製品がテープアウト(設計完了)するとの見通しも明らかにした。既に▽ルネサスエレクトロニクス▽エヌビディア▽聯発科技(メディアテック)▽ザイリンクス▽アバゴ・テクノロジーズ▽フリースケール・セミコンダクタ▽LGエレクトロニクス──の大手顧客7社が、来年に発注を行うと表明している。なお、最も早くTSMCの16ナノFinFETプラスを導入するのは、中国の深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)のネットワークチップおよびスマートフォン用プロセッサーとなる見通しだ。
サムスンも14ナノプロセスの開発を進めているものの、設備メーカーによると試験生産がうまくいっておらず、このため、スマホ用の一部チップの発注をTSMCからサムスンに移したクアルコムなども、16ナノFinFETプラスの開発が順調なTSMCに再度振り替えることを検討しているという。
新工場用地、環評大会が再実施に
12日はTSMCが18インチウエハー工場の建設を計画している中部科学工業園区(中科)5期区画に関して、行政院環境保護署による環境評価大会が開かれたが、環境保護団体の発言が長引き、日時を改めて実施することとなった。TSMCの当面の経営に影響は及ぼさないが、同社にとっては早期進展が望まれるところだ。
中科管理局によると、5期区画の用地は国防部の大肚山弾薬庫周辺の53ヘクタールで、TSMCと自転車最大手、巨大機械工業(ジャイアントMFG)への優先割当を計画している。TSMCは同地に5,000億台湾元(約1兆9,000億円)を投じて2016年末の工場完成、稼働を計画している。
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