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日本での成功目指す漫画家、彭傑氏の新作発売


ニュース 社会 作成日:2014年11月17日_記事番号:T00053848

日本での成功目指す漫画家、彭傑氏の新作発売

 日本の講談社コミックスから11月7日、『金田一少年の事件簿』や『神の雫』といったヒット作を手掛けた樹林伸氏が安童夕馬の名義で原作を手掛け、作画を台湾人漫画家の彭傑氏が担当した漫画、『新宿D×D』の第2巻単行本が発売された。彭氏は4年前、週刊少年ジャンプに外国人作家として創刊以来初めてその作品が掲載されたことで知られる台湾を代表する漫画家。彼は現在も日本漫画界での成功を目指し奮闘を続けている。

 今年32歳となった彭氏は、もともと建築が専門で成功大学で修士号を取得した他、建築士としてのライセンスも保有している。しかし、子どもの頃からの夢を諦め切れず、建築士としての将来を捨て漫画界に飛び込んだ。

 そして28歳の時に描き上げた読み切り作品『KIBA&KIBA』が週刊少年ジャンプに掲載され一挙にその名が知られるようになった。

 しかし、その後彭氏は日本の漫画雑誌での連載を目指したものの、これまでのところチャンスはつかめていない。こうした状況に彭氏は「日本の漫画界には毎年1,000人以上の新人が現れるため、編集者が言語の壁のある台湾人作家を省みる余裕はない」と指摘し、焦りを感じていると率直な気持ちを述べている。

 しかし、その間も創作の手を緩めることはなく、11年に台湾で発表した中国語作品『方舟奇航(アーク・サーガ)』は翌年、中国の漫画賞「金龍賞」で「最優秀少年漫画賞」を受賞。同国の有力雑誌「漫画SHOW」で連載を獲得した。

 そして漫画家としての力量を高めた彭氏はついに日本の著名な漫画原作者、樹林氏から指名を受け、作画を担当した作品『新宿D×D』が今年2月、モバイル端末向け漫画雑誌アプリ「マンガボックス」から発行された。

 この作品は新宿歌舞伎町の医者と女刑事が謎の事件に巻き込まれていくサイコ・サスペンスで、これまでまずまずの人気を獲得し、単行本化が決定。7月に第1巻、そして今月第2巻が発売された。

 彭氏によると、現在では日本の編集者から台湾人漫画家の推薦を頼まれるまでになったそうで、今後、日本で台湾作家による作品が数多く読まれる時代が来るかもしれない。