ニュース 電子 作成日:2014年11月26日_記事番号:T00054053
中国の週刊誌「中国経済周刊」の報道によると、鴻海精密工業傘下の富智康集団(FIHモバイル)が、河南省鄭州市にサファイアガラスを使った液晶パネルの生産工場を建設する。鴻海は同市をアップルのスマートフォン「iPhone」の生産拠点としており、iPhone6で見送られたサファイアガラス製パネルが、次世代の「iPhone7」に搭載される可能性が高まった。26日付経済日報などが報じた。
郭台銘(テリー・ゴウ)鴻海董事長。鴻海は鄭州では筐体および組み立てが中心だが、将来的には同地に全てのサプライチェーン構築を進めたい考えとされる(中央社)
中国経済周刊は、鄭州市政府関係者の話として、同市と鴻海が携帯電話用液晶パネルの生産工場建設で契約を交わしたと報じた。場所は鄭州経済技術開発区に近く、iPhoneの生産拠点である「鄭州航空港経済総合実験区」の隣で敷地面積は2,000畝(約133ヘクタール)。FIHモバイル河南地区のある幹部も、「新工場は準備中」と認めた。同社としては建設を急ぎたいが、政府との条件すり合わせなどもあり、「そんなに早くは進まない」と明かした。投資額については顧客の需要量に応じて増減するとし、具体的には語らなかった。なお、これに先立ち、ウォールストリートジャーナルも先月末に、政府と工場建設について協議中で350億人民元(約6,700億円)を投資するとの観測を報じている。
鴻海、iPhone利益拡大へ
サファイアガラスは、強度があり傷がつきにくいことが特徴で、アップルはiPhoneやタブレット端末「iPad」のカメラレンズカバー、ホームボタンに採用している。ディスプレイへの搭載は、今年発売されたiPhone6からとの観測が浮上していたが、加工が難しいため、米サプライヤーの良品率が上がらず生産量が足りないことや、加工コストが高く、消費電力が多いことが難点で、採用が見送られたとされる。
ただ、FHIモバイル幹部はサファイアガラス製パネルの技術的な問題は大きくなく、研究開発(R&D)センターも鄭州航空港経済総合実験区内に設ける予定と語っており、計画が順調に進めば大量生産が実現し、iPhone7の目玉スペックになるとみられる。また、サファイアガラス製パネルを鴻海が手掛ければ、同社のiPhone1台当たりの生産利益を押し上げる見通しだ。なお、現在は1台当たり45~52.5米ドルとされる。
関連メーカーに恩恵
iPhoneへのサファイアガラス製パネル採用がようやく現実味を帯びてきたことで、サファイアガラス関連メーカーの▽越峰電子材料(ACMEエレクトロニクス)▽兆遠科技(クリスタルワイズ・テクノロジー)▽晶美応用材料(クリスタル・アプライド・テクノロジー)▽佳晶科技(プロクリスタル)▽鑫晶鑽科技(テラ・クリスタル・テクノロジー、TXT)──への恩恵が見込まれる。ただ、世界的に人気の高いiPhoneへの搭載となると出荷量が多く、各社の現在の生産能力では供給が逼迫(ひっぱく)することが懸念されている。
ゴープロ株一部売却
なお、鴻海は25日、アウトドアスポーツ用小型カメラを生産する米GoPro(ゴープロ)の持ち株17.53%のうち、10%(約134万6,000株)を売却したと発表した。子会社を通じて今年7月1日から11月25日までの間に2回に分けて売却し、売却益6,283万7,000米ドルを得た。
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