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国民党の嫌韓CM、日韓メディアも批判


ニュース 社会 作成日:2014年11月28日_記事番号:T00054085

国民党の嫌韓CM、日韓メディアも批判

 あす(29日)に投開票日を迎える統一地方選挙に向け、国民党が先ごろインターネット上で公開したCMが「台湾の嫌韓意識を選挙に利用している」などとして、台湾域内のみならず韓国や日本のメディアからも批判を集めている。


泣いても笑ってもあしたが投票日。今回のCM効果はプラスに働くだろうか?(国民党ホームページより)

 問題のCMは「誰が韓国を喜ばせているのか」と題する動画で、韓国の伝統衣装であるチマチョゴリ着た女性が「韓国代表」として画面の向こうの「台湾代表」とポーカーをする光景が映し出される。

 その映像に「韓国は民進党にありがとうと言っている」というナレーションを重ね、野党である民進党が立法院での審議を度々ボイコットして与党・国民党が進めている中国との海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)後続協定締結に関する審議が停滞している間に今月、中韓が自由貿易協定(FTA)締結で基本合意したと批判した。

 このCMに対しては台湾でも「地方選に国政レベルの問題を持ち出すべきではない」などと批判が上がっているが、韓国3大通信社の一つ「NEWSIS」もこのほど「台湾の与党が地方選挙のネガティブキャンペーンに韓国を利用」などと報じた他、日本の経済誌「週刊東洋経済」も「台湾統一地方選で国民党が嫌韓を前面に」との副題で公式サイトに記事を掲載した。

 東洋経済の記事では、今回のCMについても「政権維持や国民の不満をそらすために他国を引き合いに出すことは、扇動的で場当たり的なものにすぎない」「一時的な清涼感を得るだけで、余計な摩擦や混乱をさらに招いてしまう」などと批判している。

 こうした中、台北市長選で国民党の連勝文候補と事実上の一騎打ちとなっている柯文哲候補(無所属)陣営は「韓国の伝統衣装を着た人物を利用して国内の対立をあおるようなことをすれば韓国の反感を呼んで当然だ」と批判。「既に抗議の声が上がったのだから公開を中止すべきだ」とコメントした。

 しかし国民党の陳以信報道官は27日、「このCMは韓国を侮辱するものではない。誤った解釈で台韓間の友好関係を傷つけないでほしい」とコメントしており、CMを取り下げる考えはないようだ。