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中国政府、中台関係の継続推進を表明


ニュース 政治 作成日:2014年11月30日_記事番号:T00054106

中国政府、中台関係の継続推進を表明

 統一地方選挙の結果を受けて中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は29日、「結果に注目している。両岸(中台)の同胞が両岸関係の得難い成果を大切にし、両岸関係の平和的発展を共同で守るとともに、継続的に推進していくことを願う」と述べた。同日付聯合報によると、中国の対台湾窓口機関は国民党がこれほどの惨敗を喫するとは予想していなかったもようだ。

 中国社会科学院台湾研究所の周志懐所長は、国民党は今後、中台関係を強化する動きを弱める可能性があると指摘。また、2016年の総統選で民進党が勝つ可能性が出てきたが、周所長は、中台の平和的発展を推進しようとする中国の立場に変化はなく、民進党がより開放的な対中政策を取れるかが鍵になるとの見方を示した。 

 この他、上海国際問題研究院台湾・香港・マカオ研究所の厳安林執行長は、民進党がもし、今回の勝因は同党の既存の対中政策にあると考えた場合、民進党は国民党が進めてきた中台協定にさらに強い抵抗を示す可能性があると懸念を示した。

 一方、今回の選挙はあくまで地方選であり、有権者は候補者や政党の対中政策にそこまで注目しておらず、中台関係への影響は小さいとの見方もある。ただ、中国のある学者は、それでも精神面での打撃は必至で、馬英九政権は次期総統選に向けて中台物品貿易協定などの交渉加速を余儀なくさせられると指摘した。

 なお、与党国民党の惨敗を受け、中台協定監督条例、中台サービス貿易協定、自由経済モデル区特別条例、中台間の事務所相互設置協定は次期総統選挙が行われる16年以降まで立法院で承認されない懸念も指摘されている。

台北・上海フォーラム中止も

 無所属の柯文哲氏が台北市長に当選したことで、10年より台北市と上海市の間で毎年開かれている台北・上海都市フォーラムに黄信号が灯っている。


選挙期間中は92共識について明言を避けていた柯氏も、今後は市長としてはっきりとした立場表明が迫られる(29日=中央社)

 柯氏は既に、上海とのフォーラムも含め、台北市と中国との交流は今後も従来と同じ頻度、レベルで続けると表明している。しかし、台湾事務に携わる上海市のある係官は、柯氏が「1992年の共通認識(92共識)」を認めず、台湾独立に対する自身の立場を明らかにしなければ、同フォーラムの開催継続は難しくなると指摘。同フォーラムは中台交流の重要な一環であり、一市長と言えども中国にとっては92共識を認めることが最低ラインとだとした。